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この日は、いつになく緊張感があり、控室では毎回のルーティンにもなっているカラダの最終調整が行われていた。
ケビンは、武尊選手がリングに向かう姿をみて、いつも「負ける感じがしない」という。
武尊選手との出会いは、今から4年前の2017年8月にさかのぼる。かわいらしささえ感じるルックスからは想像できない戦闘スタイルで、K-1の一時代を築いてきた武尊選手。ケビンのところへトレーニングに来るのは、試合に向けての限られた期間。いつも自分の課題を明確に持ち、ケビンに教わりたいと思うことも決めてくる。「確認」がポイントになるときもあれば、「追い込むこと」が課題になることもある。
ただひとつ共通することは、今この瞬間に自分を高められることや足しておきたいことを、武尊選手は冷静に理解しているということだ。「武尊は、求めるものが分かりやすい」というケビンは、おそらく常にその武尊選手の内側にある、深く燃えているパワーに気が付いているのだろう。
ケビンが分析する武尊選手は、「魅せる闘いができるファイター」だと言う。試合の組み立て、オーディエンスが求める自分への戦いのスタイル、勝利という着地。すべてが武尊選手の中でシミュレーションされていて、そのシナリオ通りに、できるだけ美しく試合をつくる。そんな独特の才能を感じると教えてくれた。
リングサイドでケビンは、「心配」でもなく、「興奮」とも違う、武尊選手への「信頼」に似た感情を持つ。そして、2017年の出会いの日から未だに「勝利」のみで応える武尊選手。
これからも、リングサイドへ向かう「負ける感じがしない背中」は輝き続けるのだろう。
武尊(1991年7月29日生まれ)
K-1GYMSAGAMI-ONO KREST所属 現K-1 WORLD GPスーパーフェザー級王者
元K-1 WORLD GP スーパーバンダム級王者。K-1 WORLD GP3階級制覇。
時代によって求められるカラダは違う。時代背景や社会情勢、大切にされるもの、クローズアップされること、、そういったいくつかの要素で、人々にとってなりたいカラダは変化する。そして、トレーニングは求められるカラダに近づける手段の一つとして、いろいろな手法が提案されていくのだ。
10年ほど前からFitnessでカラダの形を変えられることが少しずつ一般化されてきた。今となっては「筋トレ」と「食事制限」を組み合わせることで、誰でもカラダを変化させられると疑わないだろう。
しかし、ケビンは22年前この東京に来た頃、既にそれを唱え、マスコミに『肉体改造』と名付けられたことを経験している。そのケビンが今、時代は『見せるカラダ』から『動けるカラダ』に変化していくことを確実に示唆している。
ケビンは渋谷に「American Sports Performance Lab.」という研究機関を持っている。そこでは早くから動けるカラダへのトレーニング研究が実施され、トレーニングの本場アメリカとの情報共有を密に行い、最先端のトレーニングとしてTOTAL Workout各店舗に配信し、取り組まれてきた。
まずは、ウエイト・トレーニングで鍛えたカラダに神経を通し、パワーとスピードを兼ねそろえられる「神経系」のトレーニングを実施してきた。この神経系のトレーニングは以前からTOTAL Workoutでは「スーパートレッドミル」という特殊なトレーニングマシンを使用し、簡単に手に入るノウハウを伝え続けてきたという。我々にはまだなじみの浅い神経系のトレーニングを実施する中でケビンはあることを定義づけた。
「一般の人は強度の低いアスリートである」ということだ。スポーツができるカラダは、正に動けるカラダであると同時に、機能性を最大限に活かすことに長けている。優れた運動能力は腰痛や肩こりなど、一般の人たちにおける日常の悩みをなかったことにしてくれる。
そこでケビンは、アスリートの動きには確実にあって、一般の人が鍛え切れていない動きに目を向けた。前や後ろに動く力や、持ち上げたり、引っ張ったりする上下への力の発揮の仕方ではなく、「捻じれや捻り」がプラスされたローテーションの動きだ。
それを習得するには、やや複雑なプロセスを通らなければならない。例えば、これまでであればウエイト・トレーニングで挙上できる負荷が重くなったり、走る速度が上がるなど、動きが良くなることによって、自身の運動能力を可視化、数値化して成長を確認することができたが、このローテーションはそうはいかない。
そこでケビンは3D の最先端映像処理技術を搭載し、カラダの内部の動きを可視化、数値化することに成功した。毎日をかっこよく、快適に過ごす究極の機能性BODYとは、『ATHLETE BODY』そのものなのであろう。
『ATHLETE BODY』を目指してトレーニングに励む人々が増えていくことに期待し、日本のFitness界に「第二次肉体改造」の幕開けをもたらせてもらいたい。
ケビン山崎が日本にトレーニング・ジムとして「TOTAL Workout」を設立してから、今年で20年が経つ。今や当たりまえになりつつあるパーソナル・トレーニングをここ日本で初めて根付かせたのは、まぎれもなくケビン山崎だろう。当時は、筋トレと言えば、ごく限られた人のもので、ましてや女性はダンベルを持つだけでムキムキになると敬遠されていた時代だ。
健康でかつ美しいカラダの定義は時代によって変わるが、トレーニングも同様にして変化する。社会情勢と、美学、そして人々の思いの中で成り立ち、必要とされるカラダに合わせて変化するのだ。ケビンは常にその最前線で研究を続け、日本の人々にトレーニングという日常を手に入れてもらうことを実践している。
そもそもケビンがTOTAL Workoutを設立したのは、今から遡ること35年前、アメリカはシアトルに本拠地を構えた。そこからシアトルで3本の指に入るパーソナル・トレーナーになるまでに、そう時間はかからなかった。ケビンのメソッドは今やジムの屋号としても使われている「TOTAL Workout」と名付けられ、筋肉量を増やすことで代謝を上げることがコンセプトだ。
男女年齢問わず、人間のカラダの一部である筋肉を鍛え、それが代謝を上げることにつながるというシンプルな内容だ。大きな筋肉を一回り大きくすることと、小さな筋肉を一回り大きくすること。どちらの方が筋肉量を増やせるのか?その答えに基づき、大きな筋肉から鍛えていく。ロジカルと呼ぶには物足りないが、多くの人に「結果」という分かり易いモチベーションを与えたことも事実だ。そんなトレーニング結果にカラダが順応する期間を、運動生理学の観点とエビデンスから割り出し「3週間」と定めた。
のちに、それは「3週間肉体改造」と日本のマスコミが名付けてくれた。
ケビンがシアトルでトレーナー活動を始めたばかりの頃、時を同じくしてパーソナル・トレーナーとして活動していたメンバーがいた。ケビンは自身のメソッドを掲げ、アジア人としてややハンディを背負いながらも賢明に結果を出し続けた。様々なスタイルとキャラクターが光るトレーナーたちの中で、トップの座を獲ることは容易ではなかったと想像がつく。
ケビンは活動する中で最も大切な「一貫性」を発見する。多くのメソッドが生まれていく中、この「一貫性」をもった伝達をしていくことが、分かりやすさや信頼、そしてクライアントのモチベーションにつながると思ったからだ。
あれから35年が経った現在においても、それは変わらない。
TOTAL Workoutのトレーニングは進化し続け、そのメニューは3260種類まで増えたが「一貫性」を持った種目をチョイスして組み立てることができる。TOTAL Workoutのパーソナル・トレーナー140名が皆、同じメソッドにならい、数多くのクライアントに合ったトレーニングメニューをカスタマイズできるのは、「一貫性」を示す「トレーニング・フローチャート」というシートの存在があるからだ。ケビンは自身の メソッドをぼやかせることなく「トレーニング・フローチャート」をアップデートし、それを後輩たちに伝え、本気で人々のカラダを最短で最大の結果に導こうとしている。
35年前から変わらないケビンのブラックスタイル(全身黒づくめのスタイル)もその一貫性に基づき、一度も変えることなく存在感を定着させている。人々の脳と、心と、筋肉に残るケビン山崎は間違いなくプロのパーソナル・トレーナーだと思う。
世の中には「最先端のトレーニング」を名乗るGYMや情報がそれなりにある。しかし、その「最先端のトレーニング」とは?今までと、何が・どう違うのか?が明確に定められているものは、一体どれくらいあるのだろうか。
ケビン山崎は「最先端」の定義を「最短で最大の結果」としている。つまり、目的に向かって最短でかつ最大の結果を出すトレーニングこそが「最先端のトレーニング」と言えるのだろう。
ケビンのクライアントは、その殆どがプロアスリートであり、確実な結果を手に入れるまでのスピードは自然に求められてきた。彼は35年以上、常にそのような逼迫した状況で指導をしてきたのだから、想像し難いプレッシャーがあったと思う。
そのような中、ケビンは自身の専門分野でもある統計学の観点から、カラダの変え方を研究し、自身が携わるアスリートへ還元してきた。筋肉を効率良くつくることにこだわった時代もあった。つくった筋肉へ神経を通すことに全力を注いだことも、各競技の特性を徹底分析したことも。そして今「最先端」に必要な要素を発見したのだ。
それは、可視化と数値化である。直接結果へどのように結びつくのか?想像しづらい方もいらっしゃるだろう。その人のためにも解説しておきたい。
自身の動きを可視化することにより、自分を客観的にみることができるようになり、全体からポイントへのフォーカスがしやすくなる。そして、数値化は感覚を実感へ変換してくれる。この2つは、現代社会のデジタル技術を駆使したテクノロジーにおいて、近年3Dで表現できるようになったのだ。
画面上に現れたアバターは、自分自身の動きを360度どの角度からも見ることができ、分析することが可能だ。癖だと思っていたことや、利き腕や利き脚に理由づけられていた動きまでを解析し、修正するポイントが一瞬で判るというから驚きだ。
トレーナーは、その揺るがぬ証拠からクライアントが求める結果とのギャップを計算し、トレーニングメニューを作成することができる。その測定やトレーニングにおいては、最新鋭の機材が必要となるのがなかなか大変なところでもある。しかし、目の前にいるアスリートの「明日の1勝」のために、妥協なく追及することでしか「最先端」は得ることができないのだ、ということも理解できる。
トータル・ワークアウト渋谷店の二階には、ケビンがこだわりをもって設けたスペースがある。それが[ American Sports Performance Lab. ]。30年来の仲間達と切磋琢磨して研究してきたもの全てが集結している場所だ。
これからは満を持して、その結果を基に、アスリートだけでなく感度の高い一般の方々にも、最短で最大の結果を手にしてもらえるよう前進したい。ケビン山崎は力強く語ってくれた。
高山選手とケビンの出会いは、2006年9月1日大阪戎橋のTOTAL Workoutだった。ケビンはこれまで格闘技の選手と数多くトレーニングし、特にへビー級と言われる階級を得意にしていた。そんな中、初めてミニマム級の選手をトレーニングさせてもらうことになり、高山選手に会う前日までに多くの試合をVTRでチェックし、当日に備えていたという。
ケビンの高山選手に対する第一印象は「ごくごく普通の少年」だったが、トレーニングが始まるや否や、その人間離れしたスタミナに驚くことになる。
一方の高山選手は、ケビンとのトレーニングをこう分析する。「ケビンさんは『頭で理解し、カラダを動かし、それを言葉にするところまでがトレーニングだ』とおっしゃいます。僕は感じたことや、こうしたいことなど言葉にするのがとても苦手で、毎回怒られました(笑)というか、最初は言っていることが良く分かりませんでした。しかし、それをケビンさんは理解できるまで話してくれ、自分が言葉にできるまでとことん付き合ってくれました。今では言われたことをすぐに理解し、それを言葉にすることで、動きにも連動できるようになり、こういうことだったんだなぁと思います」と、
一見トレーナーはプログラムを組み、それを伝え、やる気にさせるだけのように映るが、カラダが理解していることを「言葉にする」ことは、実はとても大切なプロセスなんだ、とケビンは言う。
1990年代に日本人選手のトレーニングをシアトルで頻繁に実施していた頃、多くの取材陣がその場に訪れていた。その彼らが最も驚いたのは、トレーニングウエアに着替えた選手が、プロテインドリンクを片手に持ちながら、ケビンの講義を真剣な眼差しで聞いていたことだった。
トレーニングのスタート。それはカウンセリングの前に、今の自分がやるべきことや、なぜそれをするのか?を学ぶことだ。次に、そこで理解したことを自分の言葉にすること。
言葉にできないことはやれない。そんなケビンのこだわりの先には、選手の強さの秘訣が隠されているのかもしれない。
高山勝成(たかやま かつなり)
1983年5月12日生まれ 大阪府大阪市出身
プロボクシング元世界ミニマム級4団体制覇王者、アマチュアで東京五輪を目指し、この度プロに復帰し、新たな伝説を築く
僕が出会ったFitnessは、「カラダが変わるという感動」だった。
アジア人の自分が、アメリカ人に交じって日常を送るには、体型というコンプレックスが付きまとった。
カラダ付きが良いからと言って、いろんなことが成功するわけではないけれど、少なくとも「自信」という大きな武器を手にできる。そんな気がしていた。
1976年ウエイトリフティングに出会い、没頭する中で、カラダの形の変え方を知り、カラダの使い方まで明確にわかる様になった。
表面的な強さや美しさは思った通り僕に自信をくれた。そして、筋肉のコントロールの仕方を知ることは、より快適な人生を送れるという事にも気付かせてくれた。
こんな素晴らしいことを、多くの人に伝えることができたら。。
僕はいつの日かそう思う様になった。
これが、当時飛行機を製造する大手企業のエンジニアであった僕のFitness人生の始まりだ。
そこから多くの「カラダを変えたい人」に出会った。
僕のクライアントはスポーツ選手が多かった。
アマチュアからプロアスリートに至るまで「勝つこと」のために、ともにトレーニングをするうちに、僕はFitnessの向こう側にはスポーツという一つの終わらないゴールがある事に気付く。
アメリカはシアトルでTOTAL WorkoutというMethodを掲げ、パーソナル・トレーナーとして活動していた僕は、日本にそれを持ってきた時、日本人に「スポーツの出来るカラダ」を与えようと思った。
そう、一般の人を「強度の低いアスリート」と位置づけ、昔Fitnessに出会った頃感じたように、外見というスタイルを変えると同時に、筋肉の使い方を知り、動けるカラダを手にしてもらう事をここ日本において、実現したかったのだ。
東京にTOTAL WorkoutをOpenさせて今年で20年目になる。
今では多くのパーソナル・トレーナーが育ち、「TOTAL Workout」を実践してくれている。
トレーニングをする事で寿命を延ばせるとは限らないが、あなたの人生を最高に充実したものにはできる。
これからも、その想いを伝え続けたい。
ARCHIVES
- 046 進化したTOP SHAPE PROGRAMの検証/考察
- 045 進化したTOP SHAPE PROGRM③
- 044 進化したTOP SHAPE PROGRM②
- 043 進化したTOP SHAPE PROGRM①
- 042 Over-All Muscle Training
- 041 神経系トレーニング
- 040 ケビン山崎が語る「これからのフィットネス」
- 039 SprintのためのTraining
- 038 スポーツスペシフィック
- 037 パーソナル・トレーナー養成講座 (実技編)
- 036 パーソナル・トレーナー養成講座 (理論編)
- 035 STRIKE ARTS PROGRAM 【3D】 ~Boxing/Kicking編~
- 034 STRIKE ARTS PROGRAM 【3D】
- 033 ケビン山崎が語る 「パーソナル・トレーナーの歴史と未来予想図 ②」
- 032 ケビン山崎が語る 「パーソナル・トレーナーの歴史と未来予想図 ①」
- 031 Personal Trainer Bible
- 030 ケビン山崎が語る「新しいフィットネスとは」②
- 029 ケビン山崎が語る「新しいフィットネスとは」①
- 028 Athlete Body Make Program(ABMP)で得られるもの
- 027 ケビン山崎が語る 「野球人金子千尋」
- 026 3週間でカラダを変える肉体改造メソッド
- 025 GOLF PROGRAM 【3D】
- 024 女子レスリング 金メダリスト 志土地真優 × ケビン山崎
- 023 アスリートのサポート
- 022 フィットネスのための神経系トレーニング
- 021 Athlete Body Make Program(ABMP)
- 020 Personal Trainer Kevin Yamazaki
- 019 MUSCLE BIBLE 筋肉伝道師の最終解答
- 018 向田真優選手×ケビン山崎
- 017 神経系トレーニング ~一般人は強度の低いアスリート~
- 016 安樂智大選手 × ケビン山崎
- 015 トレーニングの進化②
- 014 The 一刀流 ~Propulsion Drive~
- 013 武尊選手進化のカギ
- 012 トレーニングの進化 ①
- 011 トレーニングの進化
- 010 Mr. Steve Swanson
- 009 Athlete Training Report Vol.1
- 008 若返るということ~体内復元~
- 007 ATHLETIC REPUBLIC
- 006 武尊選手×ケビン山崎
- 005 目指せATHLETE BODY
- 004 TOTAL Workout
- 003 最先端のトレーニングとは
- 002 高山勝成選手×ケビン山崎
- 001 挨拶