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今回は、トレーニングの進化を述べる上で欠かすことのできない、各トレーニングについて詳しく述べることにしよう。

「目的」をゴールとするなら、トレーニングは間違いなく手段である。
その手段においては、理解し、納得するほど結果が出るとケビン山崎は言う。

まず念頭に置いておかなければいけないことがある。それは、トレーニングは常に「アップデイト」と「アップグレイド」を繰り返しているということだ。「アップデイト」は一つのトレーニングカテゴリー内における進化や発見のことを指し、「アップグレイド」はこれまでになかった要素、つまり新しいトレーニングカテゴリーが新設されることを意味する。

ここでは、ケビン山崎がつくり上げてきたトレーニングメソッドの「アップグレイド」に着目し、話を進めていきたい。

1986年、パーソナル・トレーナーとしてアメリカで活動をしていたケビンのところには、外見を変えたい人、健康になりたい人、パフォーマンスを上げたい人が集まってきていた。それらすべての人々に共通して必要だったことが『筋肉をつけて、代謝を上げる』ということだった。筋肉の量で外見は変わるし、代謝が上がるとさらに効率も上がる。健康とは明らかに代謝の高さを示すものであるし、パフォーマンスの基礎は筋肉量に比例する。だからこそ『筋肉をつくる』。それがカラダづくりの入り口になるのだ。

今や多くのトレーナーがそうであるように、普遍的にベースを構成するのはやはり『筋肉をつくること』を目的とした『Weight Training』である。最も効率良く筋肉を増やす方法として、ケビンが自身のメソッドでこだわったのは、リフティングの仕方とトレーニング部位の選定、セットの組み方だ。単純に重りを持ち上げるのではなく、効率よく筋肉を肥大させることをポイントとした。

生み出すエネルギーは重いものを持ち上げれば上げるほど大きくなる。よって1kgでも重いものを挙上することで筋肉をたくさん使い、回復も必要になる。それが筋肥大に有効な働きをすることをケビンは知っていた。下半身から上半身に力を連動させ、動きの中でウエイト・リフティングをすること。これを「Muscle in Motion」と名付け、そこにこだわった。

下半身の力を上半身に伝えるには反動に似た動きが必要になる。反動を使って1kgでも重い重りを挙上することが結果を左右するということだ。そして、最も筋肥大につながる挙上回数を10回に設定し、1回1時間、週に3回、3週間。そのセッティングが効率良くかつ効果的であることを発見したのだ。いつしか、それがトータル・ワークアウトのウエイト・トレーニングのベースとなり、多くの人が実践することで、結果を出し続けることへ繋がっていった。

1990年に入ると、ケビンのトレーニングメソッドが大きな転機を迎えることになる。それは、できた筋肉に神経を通す『神経系』のトレーニングだった。ケビンがアメリカで活動をしていたころからアスリートのクライアントが多く、中でもアメリカンフットボールの選手を中心に、大きなカラダでスピーディに動ける能力を求められる競技が多かった。

今でこそ、カラダが大きくても素早く動ける選手はそう珍しくはないが、一昔前までその能力には限界があると考えられていた。つくった筋肉は鎧のようなもので、神経を通さない限り役目を果たさない。実際に筋肉をつけたからと言って、ホームランが打てるわけでもなければ、ボクシングでノックアウトできるわけでもない。自らが持つ筋肉をどのようにコントロールできるか?が重要となる。

1990年、神経系を開花する画期的なトレーニングマシンに出会うまで、ケビンは試行錯誤しながらも、この神経系のトレーニングを取り入れていた。一例としてあげられるのが『パワーリフティング』だ。『パワーリフティング』は、2つ以上の筋肉を順番に100%使っていくことで出力が決まる。うまく筋肉連動ができたとき、思いもよらない力が出る。理にかなった方法で多くのトップアスリートは神経系を鍛えていった。しかし、この方法には唯一欠点があった。習得に時間がかかるということだ。

1993年、ケビンが出会った活気的な神経系のトレーニングというのは、 Athletic Republicのスーパートレッドミルを使ったものだった。つまりダッシュをする筋肉を学び、その筋肉の連動を良くしていくことで、自然とスピ―ドが増加し、カラダにキレが生まれるというものだ。パワーリフティングで神経系を良くすることよりも2.5倍速く、同じ結果を得ることができるというのだからすごい。

ケビン山崎のトレーニングメソッドが静から動へ動き出した瞬間であり、『アップグレイド』された瞬間だ。この革命によって、ケビン山崎はより多くの目的をより短時間で叶えるカラダを提供できるようになる。トータル・ワークアウトというジムをつくり、そこで指導する数多くのパーソナル・トレーナーも一人残らず、『スーパートレッドミル』を用いた神経系の処方を習得している。

トータル・ワークアウトが他にないトレーニング結果を短時間で出せる秘密がここにあったのだと確信した。そして今、それがトータル・ワークアウトのトレーニングにおいてスタンダードとなっている。




2021年08月17日

トレーニングの進化

「痩せたい」「筋肉をつけたい」「健康になりたい」
私たちのなりたいカラダを手に入れる手段として存在しているのがトレーニングだ。
ネットで検索すると、山の様に出てくる。
どれが正しくて、どれが間違っているのか?を見極めるは難しく、どれが最も効果的なのか?を知ることは至難の業だ。

ケビン山崎は今の情報社会で、このトレーニングの表現にやや戸惑いを感じている。

人のカラダが進化するように、トレーニングも進化しなければならない。というのがケビンの口癖だ。そして、進化はトレーニングのコンセプトや、それに伴うベースがあるからこそ形にすることができる。つまり「メソッド」がなければ進化はないということだ。

世の中に知られているケビンのメソッドは、ある一定のところで止まっている。

知られている部分は、分かりやすく、多くの人の第一段階で希望を叶えたからかもしれない。ウエイト・トレーニングと高タンパク質食で得られる効果は誰もが知るところである。
しかし、実はそれはケビンのトレーニングメソッドの中ではほんの入り口でしかない。

トレーニングは鍛えて、つくるというイメージが強いが、進化の先には、その人が持ち合わせている能力の復元や潜在能力までを呼び起こすことが含まれている。
そもそも、人間の筋肉は幼少のころにできた筋繊維から、その数が変わることがない。筋肥大とは決まった数の筋繊維自体が太くなる現象をいう。
筋繊維が太くなったことで、より力を発揮できたり代謝が上がったりと得られるものは非常に大きい。最終的には外見までも変化させ、活動力が向上する。

しかし、それが人間の持つ限界ではないのだ。

太くなった筋肉に神経を通すことで、運動神経が向上する。
キレが良くなり、ジャンプ力やダッシュ力の向上へダイレクトにつながる。
これらはアスリートにとっては分かりやすく必要な要素だが、一般の人にも必須だとケビンは言う。
なぜなら、日常生活において運動神経が向上することは、活動の幅を広げ、これまで大変だと感じていた肉体的な要素がすべて楽になるからだ。勿論、代謝だって容易に上げられる。

つまり、一般の人も強度の低いアスリートとして「動けるカラダ」を手に入れることで、カラダづくりをコンプリートさせて欲しい。そんなケビンのトレーニングメソッドは大きく4つに分類されており、順番にクリアすることで理想のカラダを完璧に手にすることができる。

それぞれのトレーニングについては、次回以降に詳細を述べていきたい。

2021年07月26日

Mr. Steve Swanson

ケビン山崎がパーソナル・トレーナーという職業についたのは、今から35年前になる。

見様見真似で始めたウエイト・リフティング、そこから変化する自分自身のカラダをきっかけに、パーソナル・トレーナーになった。

 

TOTAL Workout」というMethodは、彼がさまざまな目的を持った人の肉体改造に携わり、パーソナル・トレーナー人生をかけて一つ一つ丁寧に積み上げてきた「カラダを進化させるための方程式」みたいなものなのだろう。

Methodは一貫性を持ったコンセプトの基に成り立ち、進化を繰り返す。

ケビンは常にトレーニングの研究が盛んに行われているアメリカ西海岸とのパイプを強固な物として位置づけ、そこから離れないことに固執している。中でも、ケビンにとって運動生理学の基礎を衝撃的な形で進化させた「神経系トレーニング」は、「TOTAL Workout」の考え方の中心となっている。

 

「神経系のトレーニング」を通して重大な出会いがあった。

1993年、ケビンの前に現れた青年は、一日中「走る人メカニズム」を考えているようなバイオメカニクスにとりつかれたエンジニアだった。

彼の名前は『スティーブ・スワンソン(Steve Swanson)』。神経系のトレーニングに用いられるスーパートレッドミルのプログラミングをする役割を担っていた。

走るだけで神経系を向上できるという画期的な結果をもたらすスーパートレッドミル。それをケビンはアスリートだけでなく、一般の人達のカラダづくりに組み込むアイデアをスティーブに告げた。競技力の向上は一言で言うとパフォーマンスアップとされる。パフォーマンスは日常生活を送る我々一般人にも大きな助けとなる。それをトレーニングで得られるものとして表現したかったのだろう。

ケビンはスティーブに課題と仮説をいくつも持ちかけた。それに応えるスティーブは、着地した足と接地面を解析できるような実験装置を手掛け、実験で得たことをベースに、より効率的に結果を出す方法を共に考えてくれたという。

そんな風に、二人は現在に至るまで、常に「進化」を目的にMethodをアップグレードしている。

 

経験は積み重ねていくものだが、ある地点から発想するためのきっかけへと変化し、まだ誰もが取り入れていないことを見つけ出すことにつながる。結果を出し続ける「TOTAL Workout」のMethodを理解する仲間の存在が大きいとケビンは言う。

そして同時に、そのMethodを正しく伝えて、やる気にさせる能力をもった人こそが、必要とされるパーソナル・トレーナーなのであろう。

 

2021年07月20日

Athlete Training Report Vol.1

大一番。まさに全てを左右する試合に向けて、武尊選手のフィジカル・トレーニングがスタートしました。武尊選手にとって圧倒的なフィジカルの強さは大きな武器です。この武器を更に向上させ、試合の最後まで相手よりキレ、パワー、アジリティーが上回り続けることが非常に重要となります。

  
 

今回のトレーニングでは、前方方向に爆発的な突進力を生む為に必要な、温存した力を発揮させる能力を主軸に構成をしています。ハムストリング、大殿筋でまず力を溜めこむ為に、傾斜のついた高速トレッドミルを後ろ向きでスプリントする『バックペダル』を導入。更にそこで得た力をきちんと前方方向に活かしきれているかを、エクササイズ及び定量評価が出来るマシンである『バーサ・プーリー』にて実践レベルまでカラダの使い方を昇華させていきます。

  
 

パワーのレベルを数値的に評価する事で、現状と理想の課題が明確化します。

K-1絶対王者の武尊選手。まだまだ伸びしろのある驚異の肉体と心。

進化が楽しみでなりません。

今回のTOPICSでは、現代社会における「アンチエイジング」について、ケビン山崎氏にインタビューをした内容をまとめてみた。これを読むと、あなたの想う「アンチエイジング」が少し違った意味を持つかもしれない。

 

ケビンさんにとって、アンチエイジングとは?―

 

僕は、来月70歳になります。

 

中国の唐時代の詩人の何とかって人の一節に「人生七十古希稀なり」というフレーズがあるように、どうやら昔の人にとって70歳というのは類い稀な存在だったのでしょう。ふと自分を振り返ると、去年の自分よりも血液はキレイになっているし、人間ドックの結果も問題ない。やる気だってみなぎり、まだまだここから飛ばしていけるって思う。そんなに長生きしてきた感覚もなく、高齢者といわれてもピンとこないですね。

 

「エイジング=歳をとること」に対してアンチになるのではなく、今の自分を分析し、そもそも持ち合わせていた自身の能力をどう呼び起こすか?という「体内復元」を実践することが重要ではないか?と思います。

 

筋肉をつけたり、体力がついたり、肌の衰えを抑えることだけが若返りではなく、その人の動きがどうあるか?が年齢をダイレクトに表す気がします。

 

 

動きが年齢を表す?―

 

見かけを整えることは、表現の最終アウトプットとして大きな手助けになります。しかし、それだけでは、根本的に若さを表現することにはならないです。正しい姿勢、そこから動き出すスピードこそが、その人そのものとして表現されます。

 

僕は、筋肉を鍛えるトレーニング指導者だと思われがちですが、実はパフォーマンスの向上が専門です。筋肉は持っているだけでは使えない。筋肉は神経が通ってこそ動かすことができ、動かせるからこそ、活動的に見えるのです。

 

例えば、ダッシュできる70歳って、どうでしょう?ダッシュは筋肉をうまく連動させて使うことができたとき、それは誰でも手に入れられる動きなのです。人生の中で走ったことがない人っていないと思いますし、昔の自分を思い出せるコンテンツとして、取り組みやすい種目です。

 

 

ケビンさんがこれから伝えていきたいこと―

 

僕は主にアスリートのパフォーマンス向上をお手伝いしているのですが、彼らに指導する筋肉伝達について、クリニックの先生たちと議論することがあります。

 

筋肉の動きがスムーズになったとき、それをあと一押しするためにカラダの内側を整えることが、勝負を左右するからです。これは一般の方も同様で、オーソモレキュラーという分子栄養学でカラダに必要とされる栄養素をベースに、その失われたバランスをサプリメントや食事で補うという考え方です。

 

僕はそういったカラダの内側からのサポートと、筋肉を自身でコントロールできる能力の融合こそが「Good Aging」だと思っています。今後は予防医学とのタイアップで、質にこだわったカラダづくりを行い、パフォーマンスの向上を伝えていきたいと思います。

 

 

ケビン山崎は2000年、この日本にパーソナル・トレーニングという新しい風を吹かせ、「肉体改造」を世に広めた。

 

そして今、「改造」から「再生」へとMethodを進化させ、これから先の日本に『体内復元』という新しい風を再び吹かせてくれることだろう。

 

ケビン山崎 TOPICS

2021年05月27日

ATHLETIC REPUBLIC

ケビン山崎のトレーニングメソッドは1986年 “TOTAL Workout”という名前で確立され、以来今日までスポーツ、フィットネスの分野で大きく進化してきた。

人のカラダが進化していくように、トレーニングはそれを牽引するものでなければいけないとケビンはいう。彼のトレーニング理論において、切っても切り離せないのが“ATHLETIC REPUBLIC”の存在だ。

 
ケビンは1976年単身アメリカミシガン州に移住し、以降ロサンゼルスはEast Hollywood、そして北はシアトルに拠点を構えた。ウエイト・トレーニングと食事の管理でカラダを変え続け、パーソナル・トレーナーとして大きな評価を得ていたケビン山崎の周りには、たくさんのクライアントがいた。アスリートも多く、アメリカンフットボールチーム“Washington Huskies”には深く携わっていた。アメフト選手は当時よりアメリカを代表するアスリートで、大きなカラダでかつ足が速い、というスペシャルなフィジカルが求められていた。ケビンは、つくり上げてきた筋肉に神経を通し、それらを自由自在に動かすことの必要性を日に日に感じていくようになる。神経系の向上が必要だと思い続けていたのだ。

神経系をよくするということは、パワーリフティングに代表されるように、2つ以上の筋肉を順番に100%使う能力を向上させることを意味する。試合と同レベルに心拍数を向上させ、その環境下でパワーリフティングを実行する。スナッチやジャークが主な種目だった。もちろんこの方法でも、ある一定の神経系を手にすることはできる。しかし、スポーツ選手においても、このパワーリフティングを習得するにはやや時間がかかった。限られた時間の中で効率よく確実に神経系を鍛えることへの追求はより加速していくことになる。
 
そうこうしているうちに、魔法のトレーニングマシンと出会うことになる。
 
1993年、今の“ATHLETIC REPUBLIC”の前身、“Frappier Acceleration”の創設者John Frappierとの出会いだ。彼が開発したスーパートレッドミルは、ダッシュすることで神経系の向上が得られるという画期的なものだった。その効率化はこれまでのパワーリフティングの25%以上だというから驚きだ。ケビンはスーパートレッドミルを駆使し、アスリートの筋肉に神経を通し続けた。足が速くなるというアウトプットは勿論だが、他にもキックやパンチ、ゴルフでの飛距離がアップするなど、ありとあらゆるスポーツに効果を示した。下半身の力を上半身につたえる能力が格段に上がるからだ。

ケビンは自身のプロトコールを研究し、ATHLETIC REPUBLICとの連携を今も取り続け、彼らのエビデンスリをアルタイムで比較、確認できるシステムを構築した。やみくもに「強さ」や「変化」を求めて行うことはトレーニングではない。目標を定め、そこに到達するまでの能力を知ることで、ようやく課題が明確になる。ケビンは目に見える成果にこだわり、トレーニングの進化を止めることなく進み続けているのだ。
 

2021年04月16日

武尊選手×ケビン山崎

この日は、いつになく緊張感があり、控室では毎回のルーティンにもなっているカラダの最終調整が行われていた。

ケビンは、武尊選手がリングに向かう姿をみて、いつも「負ける感じがしない」という。

武尊選手との出会いは、今から4年前の2017年8月にさかのぼる。かわいらしささえ感じるルックスからは想像できない戦闘スタイルで、K-1の一時代を築いてきた武尊選手。ケビンのところへトレーニングに来るのは、試合に向けての限られた期間。いつも自分の課題を明確に持ち、ケビンに教わりたいと思うことも決めてくる。「確認」がポイントになるときもあれば、「追い込むこと」が課題になることもある。

ただひとつ共通することは、今この瞬間に自分を高められることや足しておきたいことを、武尊選手は冷静に理解しているということだ。「武尊は、求めるものが分かりやすい」というケビンは、おそらく常にその武尊選手の内側にある、深く燃えているパワーに気が付いているのだろう。

ケビンが分析する武尊選手は、「魅せる闘いができるファイター」だと言う。試合の組み立て、オーディエンスが求める自分への戦いのスタイル、勝利という着地。すべてが武尊選手の中でシミュレーションされていて、そのシナリオ通りに、できるだけ美しく試合をつくる。そんな独特の才能を感じると教えてくれた。

リングサイドでケビンは、「心配」でもなく、「興奮」とも違う、武尊選手への「信頼」に似た感情を持つ。そして、2017年の出会いの日から未だに「勝利」のみで応える武尊選手。

これからも、リングサイドへ向かう「負ける感じがしない背中」は輝き続けるのだろう。

 

 

武尊(1991年7月29日生まれ)
K-1GYMSAGAMI-ONO KREST所属 現K-1 WORLD GPスーパーフェザー級王者
元K-1 WORLD GP スーパーバンダム級王者。K-1 WORLD GP3階級制覇。

2021年03月15日

目指せATHLETE BODY

時代によって求められるカラダは違う。時代背景や社会情勢、大切にされるもの、クローズアップされること、、そういったいくつかの要素で、人々にとってなりたいカラダは変化する。そして、トレーニングは求められるカラダに近づける手段の一つとして、いろいろな手法が提案されていくのだ。

10年ほど前からFitnessでカラダの形を変えられることが少しずつ一般化されてきた。今となっては「筋トレ」と「食事制限」を組み合わせることで、誰でもカラダを変化させられると疑わないだろう。

しかし、ケビンは22年前この東京に来た頃、既にそれを唱え、マスコミに『肉体改造』と名付けられたことを経験している。そのケビンが今、時代は『見せるカラダ』から『動けるカラダ』に変化していくことを確実に示唆している。

ケビンは渋谷に「American Sports Performance Lab.」という研究機関を持っている。そこでは早くから動けるカラダへのトレーニング研究が実施され、トレーニングの本場アメリカとの情報共有を密に行い、最先端のトレーニングとしてTOTAL Workout各店舗に配信し、取り組まれてきた。

まずは、ウエイト・トレーニングで鍛えたカラダに神経を通し、パワーとスピードを兼ねそろえられる「神経系」のトレーニングを実施してきた。この神経系のトレーニングは以前からTOTAL Workoutでは「スーパートレッドミル」という特殊なトレーニングマシンを使用し、簡単に手に入るノウハウを伝え続けてきたという。我々にはまだなじみの浅い神経系のトレーニングを実施する中でケビンはあることを定義づけた。

「一般の人は強度の低いアスリートである」ということだ。スポーツができるカラダは、正に動けるカラダであると同時に、機能性を最大限に活かすことに長けている。優れた運動能力は腰痛や肩こりなど、一般の人たちにおける日常の悩みをなかったことにしてくれる。

そこでケビンは、アスリートの動きには確実にあって、一般の人が鍛え切れていない動きに目を向けた。前や後ろに動く力や、持ち上げたり、引っ張ったりする上下への力の発揮の仕方ではなく、「捻じれや捻り」がプラスされたローテーションの動きだ。

それを習得するには、やや複雑なプロセスを通らなければならない。例えば、これまでであればウエイト・トレーニングで挙上できる負荷が重くなったり、走る速度が上がるなど、動きが良くなることによって、自身の運動能力を可視化、数値化して成長を確認することができたが、このローテーションはそうはいかない。

そこでケビンは3D の最先端映像処理技術を搭載し、カラダの内部の動きを可視化、数値化することに成功した。毎日をかっこよく、快適に過ごす究極の機能性BODYとは、『ATHLETE BODY』そのものなのであろう。

『ATHLETE BODY』を目指してトレーニングに励む人々が増えていくことに期待し、日本のFitness界に「第二次肉体改造」の幕開けをもたらせてもらいたい。

2021年02月08日

TOTAL Workout

ケビン山崎が日本にトレーニング・ジムとして「TOTAL Workout」を設立してから、今年で20年が経つ。今や当たりまえになりつつあるパーソナル・トレーニングをここ日本で初めて根付かせたのは、まぎれもなくケビン山崎だろう。当時は、筋トレと言えば、ごく限られた人のもので、ましてや女性はダンベルを持つだけでムキムキになると敬遠されていた時代だ。

健康でかつ美しいカラダの定義は時代によって変わるが、トレーニングも同様にして変化する。社会情勢と、美学、そして人々の思いの中で成り立ち、必要とされるカラダに合わせて変化するのだ。ケビンは常にその最前線で研究を続け、日本の人々にトレーニングという日常を手に入れてもらうことを実践している。

そもそもケビンがTOTAL Workoutを設立したのは、今から遡ること35年前、アメリカはシアトルに本拠地を構えた。そこからシアトルで3本の指に入るパーソナル・トレーナーになるまでに、そう時間はかからなかった。ケビンのメソッドは今やジムの屋号としても使われている「TOTAL Workout」と名付けられ、筋肉量を増やすことで代謝を上げることがコンセプトだ。

男女年齢問わず、人間のカラダの一部である筋肉を鍛え、それが代謝を上げることにつながるというシンプルな内容だ。大きな筋肉を一回り大きくすることと、小さな筋肉を一回り大きくすること。どちらの方が筋肉量を増やせるのか?その答えに基づき、大きな筋肉から鍛えていく。ロジカルと呼ぶには物足りないが、多くの人に「結果」という分かり易いモチベーションを与えたことも事実だ。そんなトレーニング結果にカラダが順応する期間を、運動生理学の観点とエビデンスから割り出し「3週間」と定めた。

のちに、それは「3週間肉体改造」と日本のマスコミが名付けてくれた。

ケビンがシアトルでトレーナー活動を始めたばかりの頃、時を同じくしてパーソナル・トレーナーとして活動していたメンバーがいた。ケビンは自身のメソッドを掲げ、アジア人としてややハンディを背負いながらも賢明に結果を出し続けた。様々なスタイルとキャラクターが光るトレーナーたちの中で、トップの座を獲ることは容易ではなかったと想像がつく。

ケビンは活動する中で最も大切な「一貫性」を発見する。多くのメソッドが生まれていく中、この「一貫性」をもった伝達をしていくことが、分かりやすさや信頼、そしてクライアントのモチベーションにつながると思ったからだ。

あれから35年が経った現在においても、それは変わらない。

TOTAL Workoutのトレーニングは進化し続け、そのメニューは3260種類まで増えたが「一貫性」を持った種目をチョイスして組み立てることができる。TOTAL Workoutのパーソナル・トレーナー140名が皆、同じメソッドにならい、数多くのクライアントに合ったトレーニングメニューをカスタマイズできるのは、「一貫性」を示す「トレーニング・フローチャート」というシートの存在があるからだ。ケビンは自身の メソッドをぼやかせることなく「トレーニング・フローチャート」をアップデートし、それを後輩たちに伝え、本気で人々のカラダを最短で最大の結果に導こうとしている。

35年前から変わらないケビンのブラックスタイル(全身黒づくめのスタイル)もその一貫性に基づき、一度も変えることなく存在感を定着させている。人々の脳と、心と、筋肉に残るケビン山崎は間違いなくプロのパーソナル・トレーナーだと思う。

世の中には「最先端のトレーニング」を名乗るGYMや情報がそれなりにある。しかし、その「最先端のトレーニング」とは?今までと、何が・どう違うのか?が明確に定められているものは、一体どれくらいあるのだろうか。

ケビン山崎は「最先端」の定義を「最短で最大の結果」としている。つまり、目的に向かって最短でかつ最大の結果を出すトレーニングこそが「最先端のトレーニング」と言えるのだろう。

ケビンのクライアントは、その殆どがプロアスリートであり、確実な結果を手に入れるまでのスピードは自然に求められてきた。彼は35年以上、常にそのような逼迫した状況で指導をしてきたのだから、想像し難いプレッシャーがあったと思う。

そのような中、ケビンは自身の専門分野でもある統計学の観点から、カラダの変え方を研究し、自身が携わるアスリートへ還元してきた。筋肉を効率良くつくることにこだわった時代もあった。つくった筋肉へ神経を通すことに全力を注いだことも、各競技の特性を徹底分析したことも。そして今「最先端」に必要な要素を発見したのだ。

それは、可視化と数値化である。直接結果へどのように結びつくのか?想像しづらい方もいらっしゃるだろう。その人のためにも解説しておきたい。

自身の動きを可視化することにより、自分を客観的にみることができるようになり、全体からポイントへのフォーカスがしやすくなる。そして、数値化は感覚を実感へ変換してくれる。この2つは、現代社会のデジタル技術を駆使したテクノロジーにおいて、近年3Dで表現できるようになったのだ。

画面上に現れたアバターは、自分自身の動きを360度どの角度からも見ることができ、分析することが可能だ。癖だと思っていたことや、利き腕や利き脚に理由づけられていた動きまでを解析し、修正するポイントが一瞬で判るというから驚きだ。

トレーナーは、その揺るがぬ証拠からクライアントが求める結果とのギャップを計算し、トレーニングメニューを作成することができる。その測定やトレーニングにおいては、最新鋭の機材が必要となるのがなかなか大変なところでもある。しかし、目の前にいるアスリートの「明日の1勝」のために、妥協なく追及することでしか「最先端」は得ることができないのだ、ということも理解できる。

トータル・ワークアウト渋谷店の二階には、ケビンがこだわりをもって設けたスペースがある。それが[ American Sports Performance Lab. ]。30年来の仲間達と切磋琢磨して研究してきたもの全てが集結している場所だ。

 

これからは満を持して、その結果を基に、アスリートだけでなく感度の高い一般の方々にも、最短で最大の結果を手にしてもらえるよう前進したい。ケビン山崎は力強く語ってくれた。

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今回は、トレーニングの進化を述べる上で欠かすことのできない、各トレーニングについて詳しく述べることにしよう。

「目的」をゴールとするなら、トレーニングは間違いなく手段である。
その手段においては、理解し、納得するほど結果が出るとケビン山崎は言う。

まず念頭に置いておかなければいけないことがある。それは、トレーニングは常に「アップデイト」と「アップグレイド」を繰り返しているということだ。「アップデイト」は一つのトレーニングカテゴリー内における進化や発見のことを指し、「アップグレイド」はこれまでになかった要素、つまり新しいトレーニングカテゴリーが新設されることを意味する。

ここでは、ケビン山崎がつくり上げてきたトレーニングメソッドの「アップグレイド」に着目し、話を進めていきたい。

1986年、パーソナル・トレーナーとしてアメリカで活動をしていたケビンのところには、外見を変えたい人、健康になりたい人、パフォーマンスを上げたい人が集まってきていた。それらすべての人々に共通して必要だったことが『筋肉をつけて、代謝を上げる』ということだった。筋肉の量で外見は変わるし、代謝が上がるとさらに効率も上がる。健康とは明らかに代謝の高さを示すものであるし、パフォーマンスの基礎は筋肉量に比例する。だからこそ『筋肉をつくる』。それがカラダづくりの入り口になるのだ。

今や多くのトレーナーがそうであるように、普遍的にベースを構成するのはやはり『筋肉をつくること』を目的とした『Weight Training』である。最も効率良く筋肉を増やす方法として、ケビンが自身のメソッドでこだわったのは、リフティングの仕方とトレーニング部位の選定、セットの組み方だ。単純に重りを持ち上げるのではなく、効率よく筋肉を肥大させることをポイントとした。

生み出すエネルギーは重いものを持ち上げれば上げるほど大きくなる。よって1kgでも重いものを挙上することで筋肉をたくさん使い、回復も必要になる。それが筋肥大に有効な働きをすることをケビンは知っていた。下半身から上半身に力を連動させ、動きの中でウエイト・リフティングをすること。これを「Muscle in Motion」と名付け、そこにこだわった。

下半身の力を上半身に伝えるには反動に似た動きが必要になる。反動を使って1kgでも重い重りを挙上することが結果を左右するということだ。そして、最も筋肥大につながる挙上回数を10回に設定し、1回1時間、週に3回、3週間。そのセッティングが効率良くかつ効果的であることを発見したのだ。いつしか、それがトータル・ワークアウトのウエイト・トレーニングのベースとなり、多くの人が実践することで、結果を出し続けることへ繋がっていった。

1990年に入ると、ケビンのトレーニングメソッドが大きな転機を迎えることになる。それは、できた筋肉に神経を通す『神経系』のトレーニングだった。ケビンがアメリカで活動をしていたころからアスリートのクライアントが多く、中でもアメリカンフットボールの選手を中心に、大きなカラダでスピーディに動ける能力を求められる競技が多かった。

今でこそ、カラダが大きくても素早く動ける選手はそう珍しくはないが、一昔前までその能力には限界があると考えられていた。つくった筋肉は鎧のようなもので、神経を通さない限り役目を果たさない。実際に筋肉をつけたからと言って、ホームランが打てるわけでもなければ、ボクシングでノックアウトできるわけでもない。自らが持つ筋肉をどのようにコントロールできるか?が重要となる。

1990年、神経系を開花する画期的なトレーニングマシンに出会うまで、ケビンは試行錯誤しながらも、この神経系のトレーニングを取り入れていた。一例としてあげられるのが『パワーリフティング』だ。『パワーリフティング』は、2つ以上の筋肉を順番に100%使っていくことで出力が決まる。うまく筋肉連動ができたとき、思いもよらない力が出る。理にかなった方法で多くのトップアスリートは神経系を鍛えていった。しかし、この方法には唯一欠点があった。習得に時間がかかるということだ。

1993年、ケビンが出会った活気的な神経系のトレーニングというのは、 Athletic Republicのスーパートレッドミルを使ったものだった。つまりダッシュをする筋肉を学び、その筋肉の連動を良くしていくことで、自然とスピ―ドが増加し、カラダにキレが生まれるというものだ。パワーリフティングで神経系を良くすることよりも2.5倍速く、同じ結果を得ることができるというのだからすごい。

ケビン山崎のトレーニングメソッドが静から動へ動き出した瞬間であり、『アップグレイド』された瞬間だ。この革命によって、ケビン山崎はより多くの目的をより短時間で叶えるカラダを提供できるようになる。トータル・ワークアウトというジムをつくり、そこで指導する数多くのパーソナル・トレーナーも一人残らず、『スーパートレッドミル』を用いた神経系の処方を習得している。

トータル・ワークアウトが他にないトレーニング結果を短時間で出せる秘密がここにあったのだと確信した。そして今、それがトータル・ワークアウトのトレーニングにおいてスタンダードとなっている。




2021年08月17日

トレーニングの進化

「痩せたい」「筋肉をつけたい」「健康になりたい」
私たちのなりたいカラダを手に入れる手段として存在しているのがトレーニングだ。
ネットで検索すると、山の様に出てくる。
どれが正しくて、どれが間違っているのか?を見極めるは難しく、どれが最も効果的なのか?を知ることは至難の業だ。

ケビン山崎は今の情報社会で、このトレーニングの表現にやや戸惑いを感じている。

人のカラダが進化するように、トレーニングも進化しなければならない。というのがケビンの口癖だ。そして、進化はトレーニングのコンセプトや、それに伴うベースがあるからこそ形にすることができる。つまり「メソッド」がなければ進化はないということだ。

世の中に知られているケビンのメソッドは、ある一定のところで止まっている。

知られている部分は、分かりやすく、多くの人の第一段階で希望を叶えたからかもしれない。ウエイト・トレーニングと高タンパク質食で得られる効果は誰もが知るところである。
しかし、実はそれはケビンのトレーニングメソッドの中ではほんの入り口でしかない。

トレーニングは鍛えて、つくるというイメージが強いが、進化の先には、その人が持ち合わせている能力の復元や潜在能力までを呼び起こすことが含まれている。
そもそも、人間の筋肉は幼少のころにできた筋繊維から、その数が変わることがない。筋肥大とは決まった数の筋繊維自体が太くなる現象をいう。
筋繊維が太くなったことで、より力を発揮できたり代謝が上がったりと得られるものは非常に大きい。最終的には外見までも変化させ、活動力が向上する。

しかし、それが人間の持つ限界ではないのだ。

太くなった筋肉に神経を通すことで、運動神経が向上する。
キレが良くなり、ジャンプ力やダッシュ力の向上へダイレクトにつながる。
これらはアスリートにとっては分かりやすく必要な要素だが、一般の人にも必須だとケビンは言う。
なぜなら、日常生活において運動神経が向上することは、活動の幅を広げ、これまで大変だと感じていた肉体的な要素がすべて楽になるからだ。勿論、代謝だって容易に上げられる。

つまり、一般の人も強度の低いアスリートとして「動けるカラダ」を手に入れることで、カラダづくりをコンプリートさせて欲しい。そんなケビンのトレーニングメソッドは大きく4つに分類されており、順番にクリアすることで理想のカラダを完璧に手にすることができる。

それぞれのトレーニングについては、次回以降に詳細を述べていきたい。

2021年07月26日

Mr. Steve Swanson

ケビン山崎がパーソナル・トレーナーという職業についたのは、今から35年前になる。

見様見真似で始めたウエイト・リフティング、そこから変化する自分自身のカラダをきっかけに、パーソナル・トレーナーになった。

 

TOTAL Workout」というMethodは、彼がさまざまな目的を持った人の肉体改造に携わり、パーソナル・トレーナー人生をかけて一つ一つ丁寧に積み上げてきた「カラダを進化させるための方程式」みたいなものなのだろう。

Methodは一貫性を持ったコンセプトの基に成り立ち、進化を繰り返す。

ケビンは常にトレーニングの研究が盛んに行われているアメリカ西海岸とのパイプを強固な物として位置づけ、そこから離れないことに固執している。中でも、ケビンにとって運動生理学の基礎を衝撃的な形で進化させた「神経系トレーニング」は、「TOTAL Workout」の考え方の中心となっている。

 

「神経系のトレーニング」を通して重大な出会いがあった。

1993年、ケビンの前に現れた青年は、一日中「走る人メカニズム」を考えているようなバイオメカニクスにとりつかれたエンジニアだった。

彼の名前は『スティーブ・スワンソン(Steve Swanson)』。神経系のトレーニングに用いられるスーパートレッドミルのプログラミングをする役割を担っていた。

走るだけで神経系を向上できるという画期的な結果をもたらすスーパートレッドミル。それをケビンはアスリートだけでなく、一般の人達のカラダづくりに組み込むアイデアをスティーブに告げた。競技力の向上は一言で言うとパフォーマンスアップとされる。パフォーマンスは日常生活を送る我々一般人にも大きな助けとなる。それをトレーニングで得られるものとして表現したかったのだろう。

ケビンはスティーブに課題と仮説をいくつも持ちかけた。それに応えるスティーブは、着地した足と接地面を解析できるような実験装置を手掛け、実験で得たことをベースに、より効率的に結果を出す方法を共に考えてくれたという。

そんな風に、二人は現在に至るまで、常に「進化」を目的にMethodをアップグレードしている。

 

経験は積み重ねていくものだが、ある地点から発想するためのきっかけへと変化し、まだ誰もが取り入れていないことを見つけ出すことにつながる。結果を出し続ける「TOTAL Workout」のMethodを理解する仲間の存在が大きいとケビンは言う。

そして同時に、そのMethodを正しく伝えて、やる気にさせる能力をもった人こそが、必要とされるパーソナル・トレーナーなのであろう。

 

2021年07月20日

Athlete Training Report Vol.1

大一番。まさに全てを左右する試合に向けて、武尊選手のフィジカル・トレーニングがスタートしました。武尊選手にとって圧倒的なフィジカルの強さは大きな武器です。この武器を更に向上させ、試合の最後まで相手よりキレ、パワー、アジリティーが上回り続けることが非常に重要となります。

  
 

今回のトレーニングでは、前方方向に爆発的な突進力を生む為に必要な、温存した力を発揮させる能力を主軸に構成をしています。ハムストリング、大殿筋でまず力を溜めこむ為に、傾斜のついた高速トレッドミルを後ろ向きでスプリントする『バックペダル』を導入。更にそこで得た力をきちんと前方方向に活かしきれているかを、エクササイズ及び定量評価が出来るマシンである『バーサ・プーリー』にて実践レベルまでカラダの使い方を昇華させていきます。

  
 

パワーのレベルを数値的に評価する事で、現状と理想の課題が明確化します。

K-1絶対王者の武尊選手。まだまだ伸びしろのある驚異の肉体と心。

進化が楽しみでなりません。

今回のTOPICSでは、現代社会における「アンチエイジング」について、ケビン山崎氏にインタビューをした内容をまとめてみた。これを読むと、あなたの想う「アンチエイジング」が少し違った意味を持つかもしれない。

 

ケビンさんにとって、アンチエイジングとは?―

 

僕は、来月70歳になります。

 

中国の唐時代の詩人の何とかって人の一節に「人生七十古希稀なり」というフレーズがあるように、どうやら昔の人にとって70歳というのは類い稀な存在だったのでしょう。ふと自分を振り返ると、去年の自分よりも血液はキレイになっているし、人間ドックの結果も問題ない。やる気だってみなぎり、まだまだここから飛ばしていけるって思う。そんなに長生きしてきた感覚もなく、高齢者といわれてもピンとこないですね。

 

「エイジング=歳をとること」に対してアンチになるのではなく、今の自分を分析し、そもそも持ち合わせていた自身の能力をどう呼び起こすか?という「体内復元」を実践することが重要ではないか?と思います。

 

筋肉をつけたり、体力がついたり、肌の衰えを抑えることだけが若返りではなく、その人の動きがどうあるか?が年齢をダイレクトに表す気がします。

 

 

動きが年齢を表す?―

 

見かけを整えることは、表現の最終アウトプットとして大きな手助けになります。しかし、それだけでは、根本的に若さを表現することにはならないです。正しい姿勢、そこから動き出すスピードこそが、その人そのものとして表現されます。

 

僕は、筋肉を鍛えるトレーニング指導者だと思われがちですが、実はパフォーマンスの向上が専門です。筋肉は持っているだけでは使えない。筋肉は神経が通ってこそ動かすことができ、動かせるからこそ、活動的に見えるのです。

 

例えば、ダッシュできる70歳って、どうでしょう?ダッシュは筋肉をうまく連動させて使うことができたとき、それは誰でも手に入れられる動きなのです。人生の中で走ったことがない人っていないと思いますし、昔の自分を思い出せるコンテンツとして、取り組みやすい種目です。

 

 

ケビンさんがこれから伝えていきたいこと―

 

僕は主にアスリートのパフォーマンス向上をお手伝いしているのですが、彼らに指導する筋肉伝達について、クリニックの先生たちと議論することがあります。

 

筋肉の動きがスムーズになったとき、それをあと一押しするためにカラダの内側を整えることが、勝負を左右するからです。これは一般の方も同様で、オーソモレキュラーという分子栄養学でカラダに必要とされる栄養素をベースに、その失われたバランスをサプリメントや食事で補うという考え方です。

 

僕はそういったカラダの内側からのサポートと、筋肉を自身でコントロールできる能力の融合こそが「Good Aging」だと思っています。今後は予防医学とのタイアップで、質にこだわったカラダづくりを行い、パフォーマンスの向上を伝えていきたいと思います。

 

 

ケビン山崎は2000年、この日本にパーソナル・トレーニングという新しい風を吹かせ、「肉体改造」を世に広めた。

 

そして今、「改造」から「再生」へとMethodを進化させ、これから先の日本に『体内復元』という新しい風を再び吹かせてくれることだろう。

 

ケビン山崎 TOPICS

2021年05月27日

ATHLETIC REPUBLIC

ケビン山崎のトレーニングメソッドは1986年 “TOTAL Workout”という名前で確立され、以来今日までスポーツ、フィットネスの分野で大きく進化してきた。

人のカラダが進化していくように、トレーニングはそれを牽引するものでなければいけないとケビンはいう。彼のトレーニング理論において、切っても切り離せないのが“ATHLETIC REPUBLIC”の存在だ。

 
ケビンは1976年単身アメリカミシガン州に移住し、以降ロサンゼルスはEast Hollywood、そして北はシアトルに拠点を構えた。ウエイト・トレーニングと食事の管理でカラダを変え続け、パーソナル・トレーナーとして大きな評価を得ていたケビン山崎の周りには、たくさんのクライアントがいた。アスリートも多く、アメリカンフットボールチーム“Washington Huskies”には深く携わっていた。アメフト選手は当時よりアメリカを代表するアスリートで、大きなカラダでかつ足が速い、というスペシャルなフィジカルが求められていた。ケビンは、つくり上げてきた筋肉に神経を通し、それらを自由自在に動かすことの必要性を日に日に感じていくようになる。神経系の向上が必要だと思い続けていたのだ。

神経系をよくするということは、パワーリフティングに代表されるように、2つ以上の筋肉を順番に100%使う能力を向上させることを意味する。試合と同レベルに心拍数を向上させ、その環境下でパワーリフティングを実行する。スナッチやジャークが主な種目だった。もちろんこの方法でも、ある一定の神経系を手にすることはできる。しかし、スポーツ選手においても、このパワーリフティングを習得するにはやや時間がかかった。限られた時間の中で効率よく確実に神経系を鍛えることへの追求はより加速していくことになる。
 
そうこうしているうちに、魔法のトレーニングマシンと出会うことになる。
 
1993年、今の“ATHLETIC REPUBLIC”の前身、“Frappier Acceleration”の創設者John Frappierとの出会いだ。彼が開発したスーパートレッドミルは、ダッシュすることで神経系の向上が得られるという画期的なものだった。その効率化はこれまでのパワーリフティングの25%以上だというから驚きだ。ケビンはスーパートレッドミルを駆使し、アスリートの筋肉に神経を通し続けた。足が速くなるというアウトプットは勿論だが、他にもキックやパンチ、ゴルフでの飛距離がアップするなど、ありとあらゆるスポーツに効果を示した。下半身の力を上半身につたえる能力が格段に上がるからだ。

ケビンは自身のプロトコールを研究し、ATHLETIC REPUBLICとの連携を今も取り続け、彼らのエビデンスリをアルタイムで比較、確認できるシステムを構築した。やみくもに「強さ」や「変化」を求めて行うことはトレーニングではない。目標を定め、そこに到達するまでの能力を知ることで、ようやく課題が明確になる。ケビンは目に見える成果にこだわり、トレーニングの進化を止めることなく進み続けているのだ。
 

2021年04月16日

武尊選手×ケビン山崎

この日は、いつになく緊張感があり、控室では毎回のルーティンにもなっているカラダの最終調整が行われていた。

ケビンは、武尊選手がリングに向かう姿をみて、いつも「負ける感じがしない」という。

武尊選手との出会いは、今から4年前の2017年8月にさかのぼる。かわいらしささえ感じるルックスからは想像できない戦闘スタイルで、K-1の一時代を築いてきた武尊選手。ケビンのところへトレーニングに来るのは、試合に向けての限られた期間。いつも自分の課題を明確に持ち、ケビンに教わりたいと思うことも決めてくる。「確認」がポイントになるときもあれば、「追い込むこと」が課題になることもある。

ただひとつ共通することは、今この瞬間に自分を高められることや足しておきたいことを、武尊選手は冷静に理解しているということだ。「武尊は、求めるものが分かりやすい」というケビンは、おそらく常にその武尊選手の内側にある、深く燃えているパワーに気が付いているのだろう。

ケビンが分析する武尊選手は、「魅せる闘いができるファイター」だと言う。試合の組み立て、オーディエンスが求める自分への戦いのスタイル、勝利という着地。すべてが武尊選手の中でシミュレーションされていて、そのシナリオ通りに、できるだけ美しく試合をつくる。そんな独特の才能を感じると教えてくれた。

リングサイドでケビンは、「心配」でもなく、「興奮」とも違う、武尊選手への「信頼」に似た感情を持つ。そして、2017年の出会いの日から未だに「勝利」のみで応える武尊選手。

これからも、リングサイドへ向かう「負ける感じがしない背中」は輝き続けるのだろう。

 

 

武尊(1991年7月29日生まれ)
K-1GYMSAGAMI-ONO KREST所属 現K-1 WORLD GPスーパーフェザー級王者
元K-1 WORLD GP スーパーバンダム級王者。K-1 WORLD GP3階級制覇。

2021年03月15日

目指せATHLETE BODY

時代によって求められるカラダは違う。時代背景や社会情勢、大切にされるもの、クローズアップされること、、そういったいくつかの要素で、人々にとってなりたいカラダは変化する。そして、トレーニングは求められるカラダに近づける手段の一つとして、いろいろな手法が提案されていくのだ。

10年ほど前からFitnessでカラダの形を変えられることが少しずつ一般化されてきた。今となっては「筋トレ」と「食事制限」を組み合わせることで、誰でもカラダを変化させられると疑わないだろう。

しかし、ケビンは22年前この東京に来た頃、既にそれを唱え、マスコミに『肉体改造』と名付けられたことを経験している。そのケビンが今、時代は『見せるカラダ』から『動けるカラダ』に変化していくことを確実に示唆している。

ケビンは渋谷に「American Sports Performance Lab.」という研究機関を持っている。そこでは早くから動けるカラダへのトレーニング研究が実施され、トレーニングの本場アメリカとの情報共有を密に行い、最先端のトレーニングとしてTOTAL Workout各店舗に配信し、取り組まれてきた。

まずは、ウエイト・トレーニングで鍛えたカラダに神経を通し、パワーとスピードを兼ねそろえられる「神経系」のトレーニングを実施してきた。この神経系のトレーニングは以前からTOTAL Workoutでは「スーパートレッドミル」という特殊なトレーニングマシンを使用し、簡単に手に入るノウハウを伝え続けてきたという。我々にはまだなじみの浅い神経系のトレーニングを実施する中でケビンはあることを定義づけた。

「一般の人は強度の低いアスリートである」ということだ。スポーツができるカラダは、正に動けるカラダであると同時に、機能性を最大限に活かすことに長けている。優れた運動能力は腰痛や肩こりなど、一般の人たちにおける日常の悩みをなかったことにしてくれる。

そこでケビンは、アスリートの動きには確実にあって、一般の人が鍛え切れていない動きに目を向けた。前や後ろに動く力や、持ち上げたり、引っ張ったりする上下への力の発揮の仕方ではなく、「捻じれや捻り」がプラスされたローテーションの動きだ。

それを習得するには、やや複雑なプロセスを通らなければならない。例えば、これまでであればウエイト・トレーニングで挙上できる負荷が重くなったり、走る速度が上がるなど、動きが良くなることによって、自身の運動能力を可視化、数値化して成長を確認することができたが、このローテーションはそうはいかない。

そこでケビンは3D の最先端映像処理技術を搭載し、カラダの内部の動きを可視化、数値化することに成功した。毎日をかっこよく、快適に過ごす究極の機能性BODYとは、『ATHLETE BODY』そのものなのであろう。

『ATHLETE BODY』を目指してトレーニングに励む人々が増えていくことに期待し、日本のFitness界に「第二次肉体改造」の幕開けをもたらせてもらいたい。

2021年02月08日

TOTAL Workout

ケビン山崎が日本にトレーニング・ジムとして「TOTAL Workout」を設立してから、今年で20年が経つ。今や当たりまえになりつつあるパーソナル・トレーニングをここ日本で初めて根付かせたのは、まぎれもなくケビン山崎だろう。当時は、筋トレと言えば、ごく限られた人のもので、ましてや女性はダンベルを持つだけでムキムキになると敬遠されていた時代だ。

健康でかつ美しいカラダの定義は時代によって変わるが、トレーニングも同様にして変化する。社会情勢と、美学、そして人々の思いの中で成り立ち、必要とされるカラダに合わせて変化するのだ。ケビンは常にその最前線で研究を続け、日本の人々にトレーニングという日常を手に入れてもらうことを実践している。

そもそもケビンがTOTAL Workoutを設立したのは、今から遡ること35年前、アメリカはシアトルに本拠地を構えた。そこからシアトルで3本の指に入るパーソナル・トレーナーになるまでに、そう時間はかからなかった。ケビンのメソッドは今やジムの屋号としても使われている「TOTAL Workout」と名付けられ、筋肉量を増やすことで代謝を上げることがコンセプトだ。

男女年齢問わず、人間のカラダの一部である筋肉を鍛え、それが代謝を上げることにつながるというシンプルな内容だ。大きな筋肉を一回り大きくすることと、小さな筋肉を一回り大きくすること。どちらの方が筋肉量を増やせるのか?その答えに基づき、大きな筋肉から鍛えていく。ロジカルと呼ぶには物足りないが、多くの人に「結果」という分かり易いモチベーションを与えたことも事実だ。そんなトレーニング結果にカラダが順応する期間を、運動生理学の観点とエビデンスから割り出し「3週間」と定めた。

のちに、それは「3週間肉体改造」と日本のマスコミが名付けてくれた。

ケビンがシアトルでトレーナー活動を始めたばかりの頃、時を同じくしてパーソナル・トレーナーとして活動していたメンバーがいた。ケビンは自身のメソッドを掲げ、アジア人としてややハンディを背負いながらも賢明に結果を出し続けた。様々なスタイルとキャラクターが光るトレーナーたちの中で、トップの座を獲ることは容易ではなかったと想像がつく。

ケビンは活動する中で最も大切な「一貫性」を発見する。多くのメソッドが生まれていく中、この「一貫性」をもった伝達をしていくことが、分かりやすさや信頼、そしてクライアントのモチベーションにつながると思ったからだ。

あれから35年が経った現在においても、それは変わらない。

TOTAL Workoutのトレーニングは進化し続け、そのメニューは3260種類まで増えたが「一貫性」を持った種目をチョイスして組み立てることができる。TOTAL Workoutのパーソナル・トレーナー140名が皆、同じメソッドにならい、数多くのクライアントに合ったトレーニングメニューをカスタマイズできるのは、「一貫性」を示す「トレーニング・フローチャート」というシートの存在があるからだ。ケビンは自身の メソッドをぼやかせることなく「トレーニング・フローチャート」をアップデートし、それを後輩たちに伝え、本気で人々のカラダを最短で最大の結果に導こうとしている。

35年前から変わらないケビンのブラックスタイル(全身黒づくめのスタイル)もその一貫性に基づき、一度も変えることなく存在感を定着させている。人々の脳と、心と、筋肉に残るケビン山崎は間違いなくプロのパーソナル・トレーナーだと思う。

世の中には「最先端のトレーニング」を名乗るGYMや情報がそれなりにある。しかし、その「最先端のトレーニング」とは?今までと、何が・どう違うのか?が明確に定められているものは、一体どれくらいあるのだろうか。

ケビン山崎は「最先端」の定義を「最短で最大の結果」としている。つまり、目的に向かって最短でかつ最大の結果を出すトレーニングこそが「最先端のトレーニング」と言えるのだろう。

ケビンのクライアントは、その殆どがプロアスリートであり、確実な結果を手に入れるまでのスピードは自然に求められてきた。彼は35年以上、常にそのような逼迫した状況で指導をしてきたのだから、想像し難いプレッシャーがあったと思う。

そのような中、ケビンは自身の専門分野でもある統計学の観点から、カラダの変え方を研究し、自身が携わるアスリートへ還元してきた。筋肉を効率良くつくることにこだわった時代もあった。つくった筋肉へ神経を通すことに全力を注いだことも、各競技の特性を徹底分析したことも。そして今「最先端」に必要な要素を発見したのだ。

それは、可視化と数値化である。直接結果へどのように結びつくのか?想像しづらい方もいらっしゃるだろう。その人のためにも解説しておきたい。

自身の動きを可視化することにより、自分を客観的にみることができるようになり、全体からポイントへのフォーカスがしやすくなる。そして、数値化は感覚を実感へ変換してくれる。この2つは、現代社会のデジタル技術を駆使したテクノロジーにおいて、近年3Dで表現できるようになったのだ。

画面上に現れたアバターは、自分自身の動きを360度どの角度からも見ることができ、分析することが可能だ。癖だと思っていたことや、利き腕や利き脚に理由づけられていた動きまでを解析し、修正するポイントが一瞬で判るというから驚きだ。

トレーナーは、その揺るがぬ証拠からクライアントが求める結果とのギャップを計算し、トレーニングメニューを作成することができる。その測定やトレーニングにおいては、最新鋭の機材が必要となるのがなかなか大変なところでもある。しかし、目の前にいるアスリートの「明日の1勝」のために、妥協なく追及することでしか「最先端」は得ることができないのだ、ということも理解できる。

トータル・ワークアウト渋谷店の二階には、ケビンがこだわりをもって設けたスペースがある。それが[ American Sports Performance Lab. ]。30年来の仲間達と切磋琢磨して研究してきたもの全てが集結している場所だ。

 

これからは満を持して、その結果を基に、アスリートだけでなく感度の高い一般の方々にも、最短で最大の結果を手にしてもらえるよう前進したい。ケビン山崎は力強く語ってくれた。

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