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「日本のフィットネスには欠けているものが1つあります」
そう語るのは、日本のフィットネスを変えたと言っても過言ではない、パーソナル・トレーナー ケビン山崎だ。ケビンは自身が1981年にパーソナル・トレーナーとして活動をはじめ、多くのトップアスリートを手掛け、その経験を一般人と呼ばれる強度の低いアスリートにも活用できるメソッドを構築していった。
そのケビンが今、満を持して伝えるのが、フィットネスのあるべき姿だ。
以下、ケビンの言葉を借りて説明しよう。
「フィットネス」つまり、カラダの代謝を上げるためにトレーニングをすることをいかに効率よく、最大の結果へつなげるか、が重要なポイントとなる。全身を連動させながらトレーニングすることで、より多くの代謝を生み、その結果として脂肪燃焼を起こすことができる。通常のトレーニングは、各部位のアウターマッスル中心のトレーニングを組み合わせたものがほとんどで、全身を同時に連動させるトレーニングと比べて効率良く代謝を上げることは困難なため、脂肪燃焼効率も低くなる。
ここで言う、全身を連動させることとは、力の流れの始まりは母趾球であり、その力を股関節のインナーマッスルに繋げ、その力をさらに肩甲骨のインナーマッスルへと連動させる。そしてそのカラダの内側にあるインナーマッスルの力を外側のアウターマッスルに連動させ、パワーに変換させる。というわけだ。
そこで、身体運動の連動性を考えた場合、股関節の独立性が重要となる。股関節の独立性とは、左右の股関節をスクワット・エクササイズのように同時に使うのではなく、左右別々に使うということだ。すなわち股関節の独立性とは、左右の母趾球の独立性を意味する。その結果、トレッドミル・エクササイズが最適なものであると言える。
トレッドミル・エクササイズ
トレッドミルを使用したエクササイズは、スプリント/ダッシュを意味する。では、なぜスプリント/ダッシュが重要なのだろうか? 引き続きケビンの話を元に解説してみよう。
ジョギングをする目的は健康管理であると大抵の人たちは思う。しかし、スプリント/ダッシュとなると、一般の人たちにとって何の目的に実施するのか明確ではなく、また、あまり実施している姿を目にする機会もない。
例えば、スポーツの世界で、スプリント/ダッシュというと、主に神経系トレーニングを意味する。神経系トレーニングとは、より多くの不随筋であるインナーマッスルをカラダの動作に導入させ、随意筋であるアウターマッスルと合わせてその動作のパワー・アップ、そしてキレ等を向上させることだ。
不随意筋の代表格である大腰筋/腸骨筋を向上させるためには、スプリント/ダッシュ・トレーニングが最適であり、坂道で行うことでより強度は増す。一般の人たちも、この神経系トレーニングとしてのスプリント/ダッシュ・トレーニングを導入することで、ゴルフなどのスポーツ分野だけでなく、日常生活にも大きな影響を与え、代謝を上げることに繋がる。またそれに加え、動作に対する判断力やキレも向上し、人生の密度を上げることができるだろう。
今、私たちはただ単に引き締まったカラダや健康的な肉体を求めるのではなく、動きの良さが所作に繋がり、また、自分自身を表現する大切な要素になってきている。アスリートのトレーニング強度を一般人へ変換させながら導入することは、現代社会のフィットネスの定義をまさにコンプリートしているものではないだろうか?
ケビン山崎がこのメソッドを日本中に広げたい。そんな志を我々に身をもって教えてくれる日もそう遠くはないと思う。
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