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2022年11月30日

GOLF PROGRAM 【3D】

トレーニングをする目的は、人それぞれ…。
痩せたい人、筋肉をつけてメリハリあるカラダを手に入れたい人、健康になりたい人、運動不足を解消したい人などが代表的。そして中には、パフォーマンスを向上したいという人も少なくはない。

ケビン山崎が設立したトータル・ワークアウトは2022年11月現在、会員の6割が男性、4割が女性で、共に平均年齢は44.8才だという。その年齢層の男女はゴルフを趣味にしている人も多く、力の入れようはプロ顔負けらしい。トレーニングでカラダの形の変え方を知った彼らは、自分自身のカラダの使い方を理解し、アスリートレベルまで能力を引き上げたいと考えるようだ。

そこでケビンが今回満を持して発表したのが 『GOLF PROGRAM 【3D】』だ。

全6回のコンパクトなプログラムだが、誰でも受講できるというわけではない。実に限られた人にしか提供されていない。
ケビンが提案する別のプログラムに『“ATHLETE BODY MAKE” PROGRAM』というアスリート向けにつくったトレーニングを一般の方へ提供する上級者向けのプログラムがある。この「アスリートボディを目指す」、つまりはカラダの使い方に特化したトレーニングを受講した方に参加の権利があるというのだ。

ここで少し『GOLF PROGRAM 【3D】』について解説しよう。

プログラムの名称に【3D】という言葉がついているように、ゴルフにおける動きを3Dにて動作分析することで基準値と自分との差を明確にし、取り組むべきトレーニングのチョイスに役立てることが目的だ。 





Trackmanという、ボールの弾道からカラダの使い方を逆算する解析方法が主流のゴルフトレーニングも、より深いカラダの使い方までは明確にならない。もしかすると、器用に帳尻を合わせただけのことかもしれない。マックスの能力を表現するためには、やはり動きそのものを解析することが、より正確に理解することになるのであろう。

まずはスイング時の重要なポイントとして、「X-Factor」と「Impact」が存在する。「X-Factor」とは、肩と腰の捻転差(角度)を指す。例えばアドレス時から肩が100度回転し、腰が60度回転していれば、X-Factorは100-60=40となる。この差が大きいほどカラダに捻りが加っていると言える。当然、カラダが生み出すパワーも強いため飛距離も出やすい。その角度を測定するのはアドレス時、Half Way back、Three Quarter、Top of swing、Down swingと5つあり、それぞれPGAの数値を基準に自身の現状を確認し、その部分に必要なエクササイズをプログラムでは提案される。

もう一つは「Impact」だ。これは、カラダが生み出したパワーがボールに当たる瞬間のことを言う。Down swing時に右脚のローテーションが始まり、Impact直前に左足の地面を蹴ることで床反力を生み出す。この床反力を利用するタイミングで捻じれていた上半身が一気に解き放たれ、ため込んだパワーがボールに伝わる。一連の動きがそれぞれ可視化、数値化されるので、得意不得意が明確になり、なすべきトレーニングも同時に確認できる。





そこで、Trackmanの測定値をPGAの選手と比べてみた。Swingスピードの差分をある一般男性と比較してみると、その差は実に4m/secほど。「何だ、そんなに差はないな」と私は心の中で思った。それを察するかのように「今、そんなに変わんないじゃないか。と思ったでしょう?」とケビンがいう。しかし、この二人のswingをコマ送りにして見せてもらったところ、驚いたことに一般男性がクラブを振り上げてTOPのポジションに来たとき、PGAの選手は打ち終わりを迎えていた。つまりゴルフで言うswingスピードは1m/sec違うと、子供と大人ほどの差にまで感じるレベルだということを知った。

解析にこだわり数値化すると、そういった数字のマジック的なことに陥ることも、また一つ気を付けたいポイントだと思う。しかし、インナーという名の筋肉を使えるようになること(つまりインナーを鍛えること)を実践すると、動きが見違えるほどシャープになり、これまでの動作が7割ほどの能力で完了することに気が付く。余裕を持った実力は我々に備わっている潜在能力を掘り起こしてくれるのだ。

世の中は質にこだわる時代。トレーニングも徹底して質にこだわることで、本来の形が見え、想像をはるかに超える肉体をつくり上げることができるのだろう。





2024年パリオリンピックでの2連覇に向けて日々トレーニングに励んでいる志土地真優選手(ジェイテクト所属、旧姓:向田)。彼女のトレーナー、ケビン山崎との特別対談が行われた。 

志土地選手はこれまでも他の記事で紹介してきた女子レスリング53㎏級の世界王者。東京オリンピック2020では見事金メダルを獲得した。ケビン山崎とは東京オリンピックの後からトレーニングを開始している。

そんな志土地選手にはじめてケビンとあった時の印象を聞いてみた。




志土地選手:初めてお会いしたのは、大学生の時でした。ものすごく怖そうな印象でした。

ケビン:よく言われるんだよね(笑)

志土地選手:人見知りなので言われたことを「はい」とやるのみ

ケビン:「はい」とも言わないから無視されてるのかと思ってたよ 笑




志土地選手:今は、ダメな部分はダメと言ってくれ、細かく教えてくれる。自分は新しい技を習得するのにも時間がかかるタイプですが、それをしつこくやることで、得意技になったりする。そういう経験があるので、できなくてもしつこく教えてくれるというのがありがたいです。




ケビン:進化されるからですよ! 僕は、初めて志土地選手の試合を東京五輪の映像でみた時、ココロがつよいなぁと思った。スピードよりも、上手に力をつかっているタイプの選手に見えた。うまくマネジメントするというより、強引に持っていくというか。
始めてトレーニングをした時も、決して上手じゃなくて、でも自分に必要と思ったら習得するために一生懸命に取り組む。そんな人だと理解しましたよ。そして徐々に自分のものにしていった今では、前向きの走りは本当によくなった。後ろ向きの走りにも挑戦していて、ああいうのが上手になればなるほど、彼女のポテンシャルにココロも加わってすごいことになるだろうなと思ってる。

志土地選手:やはり、25歳とか、ある程度の年齢になると自分の好きなトレーニングをしたり、今までの貯金と、怪我しないカラダづくりがメインになるので、この年齢から更に上にあげるというやり方をしている人はあまりいないと思います。そしてこの年齢からでも上がる、というのが実感できているので、すごく嬉しい。

ケビン:12月から始まるパリオリンピック出場をかけての試合では、今出来なくて課題になっているトレーニングをクリアしていってほしい。出した力をもらって、たして次にいく!というのをもっと上手になってほしい。止まっちゃうんだよね。だからもっとンンン~ッてして!ためてためてためて、あがって行ってほしい。左右前後、できるようにして360度カバーしてほしい。相手の力をもらって、いけるようになるしね。
そういうのをレスリングの練習でも感じてもらえると嬉しいよね。

志土地選手:そうですね。やはり、バックペダルとかやらせてもらっているけれど、自分が苦手、という部分をつたえるとそれに対するトレーニングをやってくださるのでありがたいです。頑張ります。




はじめて向き合って対談という形でインタビューをした二人にとって、互いの印象や今取り組んでいるトレーニング内容など沢山の話を聞くことができた。

東京オリンピックで王者になってからのプレッシャーよりもそれまでのプレッシャーの方がつらかったという志土地選手。今では大学院で心理学を学び自分の選手としてのメンタルを整える事にもうまく役立てているのだろう。パリオリンピックもまた挑戦者の気持ちで臨みたいという彼女の影には、勝利への確信をトレーニングを通して与え続けるケビン山崎の姿があった。


2022年10月11日

アスリートのサポート

いつまでも「次の試合」があるわけではない。
一般的な就業期間よりも短く満了を迎えるのがアスリートである。

年齢的な規定があるわけでもなく、自分の意思でその卒業すべき日を決める。それは我々が想像するより遥かに難しい決断なのだろうと推測できる。好きで始めた競技でも、親や友人の影響で始めたスポーツでも、きっかけは何であれ、職業としてそれを選んだときから「引退」という日に向かって進んで行く。

ケビン山崎が日本へ来たのは、元プロ野球選手 清原和博氏のパーソナル・トレーナーとして、より一層専念するためだった。そして、ケビンが迎えた第一号の「引退」は清原氏の引退となった(2008年)。あれから、何人かのアスリートの引退を見送ってきたケビンは、彼らのこれからにも携わっていきたいと都度思うらしい。先日の元小結 千代鳳の引退も例外ではない。



令和3年11月場所を最後に土俵から降りた千代鳳。2015年からケビンとトレーニングをし、度重なる怪我にも屈せず、突き押しを得意技として闘い続けた。生涯戦歴430勝363敗104休(80場所)という成績を残した千代鳳は常にどこかを痛めており、ケビンからカラダの使い方についてトレーニング指導を受けていた。6年間のトレーニングでどんなやり取りがあったのか?我々には知る余地もないが、断髪式にて髷にはさみを入れるその瞬間、二人の特別な会話がその関係性を物語っていたように思う。



佐ノ山親方としてこれからの人生、後世の指導に力を注ぐことを決断した千代鳳。
その決断をケビンも同じ指導者チームとして温かく見守り、そして仲間としてお互いを高め合う存在になっていくことだろう。



トレーニングのカテゴリー分けは、主にその結果に紐づくもので決まる。
『神経系トレーニング』 とは、まさに神経の開通をすることで、これまでよりも動きの良い自分自身になることを目的とした場合に用いられるトレーニングだ。

これまでの記事にも何度か記載してきたが、ケビン山﨑が定義する『神経系トレーニング』とは、2つ以上の筋肉を順番に使う能力の向上で、いわゆる筋肉の連動をよりスムーズにすることが目的だ。
通常は、アスリートの競技能力向上に用いられることが多いこのトレーニングだが、一般の人が健康や美しいカラダを手に入れるために行うフィットネスにも大いに役立つとケビンは以前から確信を持っていた。現に「一般の人は強度の低いアスリートである」と言葉をつくったほどだ。
ケビン山﨑が創設者であるトレーニング・ジム【トータル・ワークアウト】も、アスリートが取り組んだトレーニングをケビンがフィットネス用にカスタマイズしたものを20年以上実施し続けており、それが何よりの証拠だ。
ここにきて「神経系トレーニング」のフィットネス応用が加速し、多くのクライアントが成果を上げている。

「神経系」を良くすることは、筋肉の連動を良くするということ。我々の日常において最も強度の高い筋肉の連動運動はダッシュ(走る)だという。もし仮にダッシュを通して筋肉の連動を意識的に向上できたとしたら、他の動きはすべて楽になるだろうし、日常生活がより簡単になることは想像がつく。ケビンはそこに着目したのだ。
また、ほとんどの人はダッシュ(走る)という運動自体を経験済みというのも狙い目だった。これまで開通したことのある神経系を呼び戻すことにチャレンジする。

ケビンは面白い実験を実施した。当初【トータル・ワークアウト】が日本に上陸したときから一つの売りになっているのが『3週間でカラダを変える』という肉体改造のプログラムだ。これは、ウエイト・トレーニングと食生活のコントロールで高い評価を得てきた。それと同等の結果を『神経系トレーニング(ダッシュ)』だけで実施するというのだ。体験してくれたクライアントは、年齢、性別問わず、これまでウエイト・トレーニングをしてきたクライアントたちだ。
今回はスーパー・トレッドミルという高速トレッドミルを使い、筋肉の連動を最大限意識し1回30分、それを週に2回実施した。その結果が下記である。

体重 -2.62Kg
体脂肪率 -2.26%
腕裏 -2.2㎜
腕表 -1.3㎜
肩下 -2.2㎜
腹部 -4.1㎜
腹囲 -6.5㎝
大腿 -2.2㎝
*2022年6月30日現在

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この通り、より短時間で大きな効果を得られることを証明した。
そして、忘れてはいけないことは、筋肉を増やしたり脂肪を減らすことに直接アプローチしたトレーニングは一切行わず、神経系を良くすることだけ実施した結果であることだ。

これからカラダを変えたいと思っている人も、これまでやってきたトレーニングに限界を感じている人も、逸早くトライしてもらいたいトレーニング方法に出会った気がする。








フィットネスの歴史は古く、1950年のアメリカ大統領諮問委員会によるフィットネスの定義では、「日々の作業を効率的に行い、しかもレジャーを楽しみ、予期せぬ緊急事態に対して十分適応できるだけのエネルギーを残しておける能力」と記されたのがスタートだ。
それ以来、自分自身の快適な生活のために運動をはじめとするフィットネスに多くの人が取り組んできた。
日本では1960年の東京オリンピック後から本格的にフィットネスという文化が確立されるようになり、現在に至るまで多くの研究がされてきたが、ケビン山崎もその研究をしてきた一人だ。 

ケビンはトレーニングが職業の一部として必要とするスポーツ選手などを中心に、その人たちが手にするべきカラダをゴールに、そこまでの距離を最短で到達させ、得られる結果も最大化することを常に目指してきた。
ただ単に筋肉の量を増やすとか、脂肪の量を減らすなどといったことではなく、持ち合わせている自分自身の能力を最大限活用する「カラダの動き」に着目してきた。

2010年後半、トレーニングの先進国アメリカにおいて、アスリートのトレーニングに多くの計測が用いられるようになり、それまで明確ではなかった「カラダの使い方」というものが数値化、可視化されるようになった。
これは結果を出すまでの距離を縮めることは勿論、インナーマッスルに対して、多くの研究者たちが興味を持つきっかけとなったのだ。

あるとき、インナーマッスル(深部に存在する筋肉)が最終的に「動作」に繋がるプロセスをケビンはメソッド化し、スポーツ選手のトレーニングに導入することに成功した。
動作を分析し、その構成を理解する。
そうするとスランプに陥った際、ダメなポイントを明確にできる。そのポイントを改善することで、スランプからの脱出は容易となる。さらなる向上のため、弱点や強みを知ることへも繋がる。
まずインナーにある筋肉を始動させ、それに誘導されるように動くアウターマッスルの連動性を学ぶことから取り組む。その結果、発揮できるパフォーマンスは格段に上がり、彼ら選手にとっての目的を成し遂げられるというわけだ。

これはスポーツ選手だけにとどまらず、我々一般人にとっても同様の見解を持つことができる。
動けるカラダはすなわちインナーマッスルからアウターマッスルへの力の連動を良くするトレーニングに取り組むこと。その手法は「捻り・捻じれ」にある。
カラダを捻るという動作は必ずインナーマッスルが始動して働き、それに誘導されてアウターマッスルが動く。引き込む力が強ければ強い程、ほどけるスピードも速くなるようなことをイメージすると分かりやすいだろう。

ケビン山崎が考案したこの「Athlete Body Make Program(ABPM)」は、まさに「捻り」「捻じること」に特化したプログラムだ。
捻じれから生じる出力はバッティングに代表されるように、中心部のひきつけが強くなることで、打ったボールの打撃スピードが向上し、コンタクトポイントも強くなる。
野球をしている、していないにかかわらず、ヒッティングという動作を通じて、この「捻り」「捻じれ」の機能を良くすることがアスリートのカラダへ近づく手段であり、動けるカラダを手にすることもできるのだ。

2021年からの1年間で、多くの一般のお客様がこのプログラムを受講したという。
受講者からは「動きが機敏に、そしてしなやかになった」「カラダの使い方に対する理解を深めることができた」といった感想が寄せられ、それと同時に、長年悩まされていた肩こりや腰痛などから解放されたらしい。
そして「頭をフル回転させ、カラダの使い方を考えながら動かす」という体験に感動されていたのが最も印象的だった。






2022年6月19日、それはケビン山崎にとっては特別な日だった。ケビンが5年の歳月をかけてトレーニングを担当してきたK-1ファイター武尊選手が那須川天心選手と闘った世紀の大一戦があった日だ。

そして、時同じくして、東京オリンピックレスリング女子フリースタイル53kg級金メダリスト 志土地(向田)真優選手(現在55㎏級、所属:ジェイテクト)もオリンピックレースがこの日始まった。

選手を支える立場として彼は、どんな気持ちでその時を迎えたのだろう?

「勝ち負けだけではなく、これまでやってきたことの答え合わせになる瞬間だから、人一倍緊張する」というケビン。
そして、こうも言っていた。「選手を一番遠くに感じる日でもある。」と。
なぜなら、試合中は選手の姿をただただ、外から見るだけ。それしかできないから。

今回もそうだった、朝から立て続けに試合があった志土地選手。一つ一つの試合を勝ち続け、優勝の座につく。
そこで終わりではなく、世界大会に出場する枠をかけて最後の最後にもう1試合プレーオフがある。
一瞬の気も抜けないまま時間が過ぎる。怪我や調子がでなかった時の彼女を支えてきた一人でもあるケビンは、一試合一試合、丁寧に答え合わせをしていた。志土地選手の強さは安定しており、激戦を全て勝利で勝ち取るという驚異的な成績で締めくくれた。その時のケビンの安堵感は我々が到底想像できるものではない。





そして次は、武尊選手。

勝って欲しい気持ち。極限の精神状態から解放してあげたい気持ち。そんな複雑な思いを胸に、取り組んできたことへの答え合わせが始まる。



選手にとって一番苦しいのは試合中ではなく、それまでのトレーニングを含む準備期間だという。その期間を一緒に背負えるのがパーソナル・トレーナーでもある。勿論実働は選手がするわけで、パンチやキック、タックルに至るまで、トレーナーが同じことをするというのとは意味が違うが、「もっとこうなりたい」「ここを改善したい」を形にすることで、選手の一番近くにいて、解決方法を提案することができる唯一の存在でもあるからだ。

その提案が正しかったのか? ひとつひとつを答え合わせするのは、二つの理由がある。
一つは、これからの彼ら選手にとっての「進化」に責任を持つため。そしてもう一つは、結果が残せなかった時、責任を振り分けてもらい、彼らの心の負担を軽減するためだ。

パーソナル・トレーナーを目指す若者たちは、いつかトップアスリートのトレーニングに携わりたい。そう思う人も多いだろう。憧れはその氷山の一角である華やかな部分に目が行きがちだが、本質はどれだけ選手と一緒にその時を耐え、前進できるか、ということなのかもしれない。
一流のトレーナーの影の姿を見てそんな風に感じた。

「パーソナル・トレーナー」 今では多くの人がその存在を知っている。
理想の体型や健康を手に入れるために、最も効率よくトレーニングするための方法をその存在に委ねる。

しかし、日本におけるその歴史はまだ20数年… パーソナル・トレーナーという存在を確固たるものにしたのは、まぎれもなく「ケビン山崎」だろう。

「パーソナル・トレーナー」という職業は、医師や弁護士のように特定の資格が必要なわけではないが、確実に必要とされるものがある。それは「経験」だ。
どれだけ多くの人のカラダを変え、そしてそれを継続してきたか、数と年数がポイントとなる。

人のカラダは100人いれば100通り存在し、トレーニングと呼ばれるものも少しのアレンジでオリジナルになる。要はメソッド化することが非常に困難なものだ。だからこそ、目の前にいる顧客の過去をいかに理解し、現在を意識し、未来へつなげられるか、という創造力が必要となる。そのためには自身の経験が大きなポイントとなり、ふんだんにその能力を使って顧客の「やる気」を出さなければならない。

36年間寝ても覚めても「パーソナル・トレーナー」としての日々を考え抜いてきたケビン山崎も、今年で71歳になる。見た目だけではなく、カラダの中や思考回路に至るまで、現在の彼そのものが「筋肉」と共に形成されてきた。

自身のメソッドで多くの顧客と直接交わり、そして「パーソナル・トレーナー」の育成にも携わってきた彼が、今改めて思うことを一冊の本にまとめたのが、「MUSCLE BIBLE 筋肉伝道師の最終解答」(幻冬舎)だ。
今も昔も変わらない「筋肉」という重要な存在がもたらすことが記載されている。一方で、ケビンがこの職業を選んだ理由に紐づくその内容を知ることで、読んだ人も改めて自分自身の生き方、そして筋肉について考えさせられるのではないだろうか?

軸をぶらさず、進化し続けてきたケビン山崎だからこそ語れる「最終解答」。
ぜひ、読んで今のあなたのカラダとココロの答え合わせをしてみて欲しい。



2020年東京五輪、女子レスリング・フリースタイル53㎏級で金メダルを獲得した向田真優選手(ジェイテクト所属)。
五輪連覇に向けて、ケビン山崎と共に更なる進化を求め、新たなトレーニングにチャレンジしている。

彼女が持つ強靭な肉体に、より一層キレを出すため、走ったり飛んだりなどの直線的な動きだけではなく、ケビン山崎が生み出したSuper Treadmill Training(スーパー・トレッドミル・トレーニング)に取り組んでいる。

このSuper Treadmill Training(スーパー・トレッドミル・トレーニング)は「スプリント(走る)」を軸にした神経系トレーニングだ。

適切なフォームを意識し、脳から筋肉に指令を出す。
ここでいう筋肉の中には不随意筋と呼ばれるインナーマッスルも該当する。不随意筋とは、自らの意志では動かすことができない筋肉で、静止した状態では作用することがない。スーパー・トレッドミルで傾斜や速度をコントロールすることで、はじめてインナーマッスルが作用する環境をつくり出すことができるのだ。

脳から筋肉に指令を出し、順序よく円滑に100%以上の力で発揮させる訓練を向田選手は日々行っている。

Super Treadmill Trainingで得たカラダ(筋肉)の使い方を別のトレーニングや種目に適応させることで、どんな環境下でも自身のカラダ(筋肉)を自在に操れるようになる。そして今までよりも多くの筋肉を意識して動けるようになり、より強く、より速くなる。

向田選手にとって最大の武器になることは間違いない。
                   
この春からはスポーツ心理学を学ぶため、九州共立大学大学院に進学。競技と学業を両立させながら、2024年パリ五輪で連覇を狙う。

世界最強女王の向田真優選手の進化は止まらない。






「神経系トレーニング」と聞いて、あなたはどんなトレーニングを思い浮かべるだろうか?
スポーツ選手のためのトレーニングだったり、パフォーマス向上を目的とする特別なトレーニングを想像する人も少なくないだろう。
40年近くトレーニングに携わっている、トレーニングのスペシャリスト ケビン山崎に聞いてみた。

トレーニングには大きく分けて無酸素運動、有酸素運動がある。
これは動きに対するエネルギー源と所要時間をベースに区別される。2つの運動のうち、無酸素運動は強度が高く、結果を追求するためには分かりやすい運動だとケビンは答えた。

無酸素運動に着目したケビンはこうも語る。
無酸素運動そのものも、目的に応じていくつかの手段(トレーニング)に分かれている、と。
ひとつは、筋肥大を目指すウエイト・トレーニング、そしてもうひとつは、脳と筋肉の連携を向上させて扱える筋肉を増やし、活性化させる神経系トレーニングだ。

神経系のトレーニングでケビンが用いる最もポピュラーなトレーニングがスプリント・トレーニングだ。これは、Super Treadmill Training(スーパートレッドミルトレーニング)とも呼ばれる、「走る(ダッシュ)」を軸につくられたトレーニングで、日本ではTOTAL Workoutだけが所有している高速・高傾斜トレッドミルを用いたケビン山崎独自の神経系トレーニングメソッドである。

適切なフォームを意識してカラダを動かすことで、脳(神経)と筋肉の連携が上がり、同時間で考える量、使わなければならない筋肉量が飛躍的に向上する。

難易度を上げるために、バックペダルトレーニングという後ろ向きに走るトレーニングを導入することにより、フォワードのスプリント・トレーニングと比較して最大200%の筋肉の活性を誘発する。フォワードとバックペダルを組み合わせてトレーニングすることで、最短で、最も効率良く、トレーニング効果を出すことができる。

また、Super Treadmill Trainingはインナーマッスルから動きをつくりだすという特徴がある。インナーマッスルは不随筋と呼ばれる自らの意思で動かすことができない筋肉だが、ある環境下においてはインナーマッスル自体をコントロールし、意識的に動かすことが可能となる。インナーマッスルは静止した動きの中では作用することがなく、動きの中ではじめて作用する。つまり、すべての動作はこのインナーマッスルが始動することでつくりだされ、持ち合わせる筋肉の使い方にフォーカスすることでパフォーマンスを著しく向上させることができるのだ。勿論それはフィットネスへの応用も可能で、多くの人の日常に役立つ。
ケビンはこれまで多くのスポーツ選手にこのトレーニングを導入し、成果を上げてきた。

そしていつしか、この神経系トレーニングはスポーツ選手だけのものではなく、一般的に健康になりたい人や、美しいカラダを手に入れたい人などにも最短の結果を出せるのではないか? と考えるようになった。それは、「一般人を強度の低いアスリート」と位置づけるようになった彼のメソッドにつながる。

スポーツ選手が必要としているパフォーマンスの向上は、一般の人にとっても、日常生活が楽になり、これまでできなかったことができるようになるという達成感を感じられるものになる。
決して特別な人だけのものではないのが神経系トレーニングなのだ。

2021年の終わりごろから、ケビンはTOTAL Workout内に「Athlete Body Make Program」と題して、スポーツ選手のトレーニングをフィットネスに応用したプログラムを実施している。
受講する方が得られる最大の能力とは、「カラダの使い方を学び、身につけること」だ。
ウエイト・トレーニングは一切実施せず、神経系のトレーニングのみを行う。趣味で行うスポーツのパフォーマンス向上は勿論、不調だったカラダの部位がよくなることや、カラダのカタチが変わり、より「しなやかでかつアクティブな自分」になれると評判だ。

自分自身の可能性が広がるコンテンツとして大いに興味が持てる。






直径73mm、重さ143gのボールが100km/h以上でフィールドを駆け巡る。そんな野球において、投手は自身のカラダひとつでボールに「速度」「変化」を与え、タイミングをコントロールし駆け引きを繰り返す。

チームが優勝争いを展開するシーズンで一翼に名を連ねたプロ野球、楽天イーグルスの安樂智大選手は、ケビン山崎とのトレーニングで更なる進化を求めている。



安樂選手がケビン山崎とトレーニングを開始したのは2018年。ケガから復活した安樂選手は真っ直ぐに目標を見据えていた。本来のパフォーマンスを最大限引き出すプログラム「Athlete Tuning Method®︎」 (Redcordを活用)で、一層深いところからカラダと向き合い投球に落とし込んだ。

そして今、安樂選手の目標は「より沢山の筋肉を使うこと」だ。
これは、バイオメカニクスの観点からピッチングをひも解き、分解した動きを理解しなければパフォーマンス向上につなげることが難しい、といったプロアスリートでもなかなか困難な作業になる。カラダを物体として捉えると、骨、靭帯、腱、筋肉と脳、そして脳とそれらを繋ぐ神経が動きに直結する要素である。
ケビン山崎はその中でも、「筋肉」と「骨」に着目し、脳でコントロールができる状態を理想とする。重心移動による動作エネルギーを、更に効率良く加速させる為に筋肉を利用し、反発力を加えようという方法であるが、これは矢を放つ際の「弓」をカラダと捉えるとわかりやすい。通常通り矢を引いたところから、更にもう一段引くのだ。そしてそれだけでは終わらず、矢を放ったその瞬間に、弓自体を前に押し出して更に加速させるような取り組み− これを単純な弓矢ではなく、ケビン山崎は複雑な関節や筋肉が入り乱れる人間のカラダで行うアプローチをしようというのだ。

具体的には下記3工程に取り組み、ピッチングに落とし込んでいる。

1. Screw in 股関節に重心を正しく乗せ、力を溜める
2. Crunch 上半身を利用し力を溜め、支点の移動が起こる
3. Rotation 3Dな捻れを利用し、爆発的なパワーを生む

軸足の股関節で生み出したパワーをいかに指先まで伝えるか、これには安樂選手も、繊細かつ大胆な筋肉のコントロールが求められている。それぞれの部位に違ったベクトルと時差が生まれることで、単純に動作したときとはまるで違う感覚を得ることができる。
カラダのパワーを生み出すために、筋量を増やすのではなく、筋肉の使い方でボールへの力が増すのだから面白い。無理に筋出力をしていないため、脱力すべきところはより脱力しながら加速ができて随分と楽になる。加えて、バッターから見ればタイミングも変わるなど一石二鳥以上の内容だ。

このように、安樂選手のトレーニングはバイオメカニクスの最先端であり、またその進化の裏に見える強力な肉体を操る技巧からは目が離せない。








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2022年11月30日

GOLF PROGRAM 【3D】

トレーニングをする目的は、人それぞれ…。
痩せたい人、筋肉をつけてメリハリあるカラダを手に入れたい人、健康になりたい人、運動不足を解消したい人などが代表的。そして中には、パフォーマンスを向上したいという人も少なくはない。

ケビン山崎が設立したトータル・ワークアウトは2022年11月現在、会員の6割が男性、4割が女性で、共に平均年齢は44.8才だという。その年齢層の男女はゴルフを趣味にしている人も多く、力の入れようはプロ顔負けらしい。トレーニングでカラダの形の変え方を知った彼らは、自分自身のカラダの使い方を理解し、アスリートレベルまで能力を引き上げたいと考えるようだ。

そこでケビンが今回満を持して発表したのが 『GOLF PROGRAM 【3D】』だ。

全6回のコンパクトなプログラムだが、誰でも受講できるというわけではない。実に限られた人にしか提供されていない。
ケビンが提案する別のプログラムに『“ATHLETE BODY MAKE” PROGRAM』というアスリート向けにつくったトレーニングを一般の方へ提供する上級者向けのプログラムがある。この「アスリートボディを目指す」、つまりはカラダの使い方に特化したトレーニングを受講した方に参加の権利があるというのだ。

ここで少し『GOLF PROGRAM 【3D】』について解説しよう。

プログラムの名称に【3D】という言葉がついているように、ゴルフにおける動きを3Dにて動作分析することで基準値と自分との差を明確にし、取り組むべきトレーニングのチョイスに役立てることが目的だ。 





Trackmanという、ボールの弾道からカラダの使い方を逆算する解析方法が主流のゴルフトレーニングも、より深いカラダの使い方までは明確にならない。もしかすると、器用に帳尻を合わせただけのことかもしれない。マックスの能力を表現するためには、やはり動きそのものを解析することが、より正確に理解することになるのであろう。

まずはスイング時の重要なポイントとして、「X-Factor」と「Impact」が存在する。「X-Factor」とは、肩と腰の捻転差(角度)を指す。例えばアドレス時から肩が100度回転し、腰が60度回転していれば、X-Factorは100-60=40となる。この差が大きいほどカラダに捻りが加っていると言える。当然、カラダが生み出すパワーも強いため飛距離も出やすい。その角度を測定するのはアドレス時、Half Way back、Three Quarter、Top of swing、Down swingと5つあり、それぞれPGAの数値を基準に自身の現状を確認し、その部分に必要なエクササイズをプログラムでは提案される。

もう一つは「Impact」だ。これは、カラダが生み出したパワーがボールに当たる瞬間のことを言う。Down swing時に右脚のローテーションが始まり、Impact直前に左足の地面を蹴ることで床反力を生み出す。この床反力を利用するタイミングで捻じれていた上半身が一気に解き放たれ、ため込んだパワーがボールに伝わる。一連の動きがそれぞれ可視化、数値化されるので、得意不得意が明確になり、なすべきトレーニングも同時に確認できる。





そこで、Trackmanの測定値をPGAの選手と比べてみた。Swingスピードの差分をある一般男性と比較してみると、その差は実に4m/secほど。「何だ、そんなに差はないな」と私は心の中で思った。それを察するかのように「今、そんなに変わんないじゃないか。と思ったでしょう?」とケビンがいう。しかし、この二人のswingをコマ送りにして見せてもらったところ、驚いたことに一般男性がクラブを振り上げてTOPのポジションに来たとき、PGAの選手は打ち終わりを迎えていた。つまりゴルフで言うswingスピードは1m/sec違うと、子供と大人ほどの差にまで感じるレベルだということを知った。

解析にこだわり数値化すると、そういった数字のマジック的なことに陥ることも、また一つ気を付けたいポイントだと思う。しかし、インナーという名の筋肉を使えるようになること(つまりインナーを鍛えること)を実践すると、動きが見違えるほどシャープになり、これまでの動作が7割ほどの能力で完了することに気が付く。余裕を持った実力は我々に備わっている潜在能力を掘り起こしてくれるのだ。

世の中は質にこだわる時代。トレーニングも徹底して質にこだわることで、本来の形が見え、想像をはるかに超える肉体をつくり上げることができるのだろう。





2024年パリオリンピックでの2連覇に向けて日々トレーニングに励んでいる志土地真優選手(ジェイテクト所属、旧姓:向田)。彼女のトレーナー、ケビン山崎との特別対談が行われた。 

志土地選手はこれまでも他の記事で紹介してきた女子レスリング53㎏級の世界王者。東京オリンピック2020では見事金メダルを獲得した。ケビン山崎とは東京オリンピックの後からトレーニングを開始している。

そんな志土地選手にはじめてケビンとあった時の印象を聞いてみた。




志土地選手:初めてお会いしたのは、大学生の時でした。ものすごく怖そうな印象でした。

ケビン:よく言われるんだよね(笑)

志土地選手:人見知りなので言われたことを「はい」とやるのみ

ケビン:「はい」とも言わないから無視されてるのかと思ってたよ 笑




志土地選手:今は、ダメな部分はダメと言ってくれ、細かく教えてくれる。自分は新しい技を習得するのにも時間がかかるタイプですが、それをしつこくやることで、得意技になったりする。そういう経験があるので、できなくてもしつこく教えてくれるというのがありがたいです。




ケビン:進化されるからですよ! 僕は、初めて志土地選手の試合を東京五輪の映像でみた時、ココロがつよいなぁと思った。スピードよりも、上手に力をつかっているタイプの選手に見えた。うまくマネジメントするというより、強引に持っていくというか。
始めてトレーニングをした時も、決して上手じゃなくて、でも自分に必要と思ったら習得するために一生懸命に取り組む。そんな人だと理解しましたよ。そして徐々に自分のものにしていった今では、前向きの走りは本当によくなった。後ろ向きの走りにも挑戦していて、ああいうのが上手になればなるほど、彼女のポテンシャルにココロも加わってすごいことになるだろうなと思ってる。

志土地選手:やはり、25歳とか、ある程度の年齢になると自分の好きなトレーニングをしたり、今までの貯金と、怪我しないカラダづくりがメインになるので、この年齢から更に上にあげるというやり方をしている人はあまりいないと思います。そしてこの年齢からでも上がる、というのが実感できているので、すごく嬉しい。

ケビン:12月から始まるパリオリンピック出場をかけての試合では、今出来なくて課題になっているトレーニングをクリアしていってほしい。出した力をもらって、たして次にいく!というのをもっと上手になってほしい。止まっちゃうんだよね。だからもっとンンン~ッてして!ためてためてためて、あがって行ってほしい。左右前後、できるようにして360度カバーしてほしい。相手の力をもらって、いけるようになるしね。
そういうのをレスリングの練習でも感じてもらえると嬉しいよね。

志土地選手:そうですね。やはり、バックペダルとかやらせてもらっているけれど、自分が苦手、という部分をつたえるとそれに対するトレーニングをやってくださるのでありがたいです。頑張ります。




はじめて向き合って対談という形でインタビューをした二人にとって、互いの印象や今取り組んでいるトレーニング内容など沢山の話を聞くことができた。

東京オリンピックで王者になってからのプレッシャーよりもそれまでのプレッシャーの方がつらかったという志土地選手。今では大学院で心理学を学び自分の選手としてのメンタルを整える事にもうまく役立てているのだろう。パリオリンピックもまた挑戦者の気持ちで臨みたいという彼女の影には、勝利への確信をトレーニングを通して与え続けるケビン山崎の姿があった。


2022年10月11日

アスリートのサポート

いつまでも「次の試合」があるわけではない。
一般的な就業期間よりも短く満了を迎えるのがアスリートである。

年齢的な規定があるわけでもなく、自分の意思でその卒業すべき日を決める。それは我々が想像するより遥かに難しい決断なのだろうと推測できる。好きで始めた競技でも、親や友人の影響で始めたスポーツでも、きっかけは何であれ、職業としてそれを選んだときから「引退」という日に向かって進んで行く。

ケビン山崎が日本へ来たのは、元プロ野球選手 清原和博氏のパーソナル・トレーナーとして、より一層専念するためだった。そして、ケビンが迎えた第一号の「引退」は清原氏の引退となった(2008年)。あれから、何人かのアスリートの引退を見送ってきたケビンは、彼らのこれからにも携わっていきたいと都度思うらしい。先日の元小結 千代鳳の引退も例外ではない。



令和3年11月場所を最後に土俵から降りた千代鳳。2015年からケビンとトレーニングをし、度重なる怪我にも屈せず、突き押しを得意技として闘い続けた。生涯戦歴430勝363敗104休(80場所)という成績を残した千代鳳は常にどこかを痛めており、ケビンからカラダの使い方についてトレーニング指導を受けていた。6年間のトレーニングでどんなやり取りがあったのか?我々には知る余地もないが、断髪式にて髷にはさみを入れるその瞬間、二人の特別な会話がその関係性を物語っていたように思う。



佐ノ山親方としてこれからの人生、後世の指導に力を注ぐことを決断した千代鳳。
その決断をケビンも同じ指導者チームとして温かく見守り、そして仲間としてお互いを高め合う存在になっていくことだろう。



トレーニングのカテゴリー分けは、主にその結果に紐づくもので決まる。
『神経系トレーニング』 とは、まさに神経の開通をすることで、これまでよりも動きの良い自分自身になることを目的とした場合に用いられるトレーニングだ。

これまでの記事にも何度か記載してきたが、ケビン山﨑が定義する『神経系トレーニング』とは、2つ以上の筋肉を順番に使う能力の向上で、いわゆる筋肉の連動をよりスムーズにすることが目的だ。
通常は、アスリートの競技能力向上に用いられることが多いこのトレーニングだが、一般の人が健康や美しいカラダを手に入れるために行うフィットネスにも大いに役立つとケビンは以前から確信を持っていた。現に「一般の人は強度の低いアスリートである」と言葉をつくったほどだ。
ケビン山﨑が創設者であるトレーニング・ジム【トータル・ワークアウト】も、アスリートが取り組んだトレーニングをケビンがフィットネス用にカスタマイズしたものを20年以上実施し続けており、それが何よりの証拠だ。
ここにきて「神経系トレーニング」のフィットネス応用が加速し、多くのクライアントが成果を上げている。

「神経系」を良くすることは、筋肉の連動を良くするということ。我々の日常において最も強度の高い筋肉の連動運動はダッシュ(走る)だという。もし仮にダッシュを通して筋肉の連動を意識的に向上できたとしたら、他の動きはすべて楽になるだろうし、日常生活がより簡単になることは想像がつく。ケビンはそこに着目したのだ。
また、ほとんどの人はダッシュ(走る)という運動自体を経験済みというのも狙い目だった。これまで開通したことのある神経系を呼び戻すことにチャレンジする。

ケビンは面白い実験を実施した。当初【トータル・ワークアウト】が日本に上陸したときから一つの売りになっているのが『3週間でカラダを変える』という肉体改造のプログラムだ。これは、ウエイト・トレーニングと食生活のコントロールで高い評価を得てきた。それと同等の結果を『神経系トレーニング(ダッシュ)』だけで実施するというのだ。体験してくれたクライアントは、年齢、性別問わず、これまでウエイト・トレーニングをしてきたクライアントたちだ。
今回はスーパー・トレッドミルという高速トレッドミルを使い、筋肉の連動を最大限意識し1回30分、それを週に2回実施した。その結果が下記である。

体重 -2.62Kg
体脂肪率 -2.26%
腕裏 -2.2㎜
腕表 -1.3㎜
肩下 -2.2㎜
腹部 -4.1㎜
腹囲 -6.5㎝
大腿 -2.2㎝
*2022年6月30日現在

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この通り、より短時間で大きな効果を得られることを証明した。
そして、忘れてはいけないことは、筋肉を増やしたり脂肪を減らすことに直接アプローチしたトレーニングは一切行わず、神経系を良くすることだけ実施した結果であることだ。

これからカラダを変えたいと思っている人も、これまでやってきたトレーニングに限界を感じている人も、逸早くトライしてもらいたいトレーニング方法に出会った気がする。








フィットネスの歴史は古く、1950年のアメリカ大統領諮問委員会によるフィットネスの定義では、「日々の作業を効率的に行い、しかもレジャーを楽しみ、予期せぬ緊急事態に対して十分適応できるだけのエネルギーを残しておける能力」と記されたのがスタートだ。
それ以来、自分自身の快適な生活のために運動をはじめとするフィットネスに多くの人が取り組んできた。
日本では1960年の東京オリンピック後から本格的にフィットネスという文化が確立されるようになり、現在に至るまで多くの研究がされてきたが、ケビン山崎もその研究をしてきた一人だ。 

ケビンはトレーニングが職業の一部として必要とするスポーツ選手などを中心に、その人たちが手にするべきカラダをゴールに、そこまでの距離を最短で到達させ、得られる結果も最大化することを常に目指してきた。
ただ単に筋肉の量を増やすとか、脂肪の量を減らすなどといったことではなく、持ち合わせている自分自身の能力を最大限活用する「カラダの動き」に着目してきた。

2010年後半、トレーニングの先進国アメリカにおいて、アスリートのトレーニングに多くの計測が用いられるようになり、それまで明確ではなかった「カラダの使い方」というものが数値化、可視化されるようになった。
これは結果を出すまでの距離を縮めることは勿論、インナーマッスルに対して、多くの研究者たちが興味を持つきっかけとなったのだ。

あるとき、インナーマッスル(深部に存在する筋肉)が最終的に「動作」に繋がるプロセスをケビンはメソッド化し、スポーツ選手のトレーニングに導入することに成功した。
動作を分析し、その構成を理解する。
そうするとスランプに陥った際、ダメなポイントを明確にできる。そのポイントを改善することで、スランプからの脱出は容易となる。さらなる向上のため、弱点や強みを知ることへも繋がる。
まずインナーにある筋肉を始動させ、それに誘導されるように動くアウターマッスルの連動性を学ぶことから取り組む。その結果、発揮できるパフォーマンスは格段に上がり、彼ら選手にとっての目的を成し遂げられるというわけだ。

これはスポーツ選手だけにとどまらず、我々一般人にとっても同様の見解を持つことができる。
動けるカラダはすなわちインナーマッスルからアウターマッスルへの力の連動を良くするトレーニングに取り組むこと。その手法は「捻り・捻じれ」にある。
カラダを捻るという動作は必ずインナーマッスルが始動して働き、それに誘導されてアウターマッスルが動く。引き込む力が強ければ強い程、ほどけるスピードも速くなるようなことをイメージすると分かりやすいだろう。

ケビン山崎が考案したこの「Athlete Body Make Program(ABPM)」は、まさに「捻り」「捻じること」に特化したプログラムだ。
捻じれから生じる出力はバッティングに代表されるように、中心部のひきつけが強くなることで、打ったボールの打撃スピードが向上し、コンタクトポイントも強くなる。
野球をしている、していないにかかわらず、ヒッティングという動作を通じて、この「捻り」「捻じれ」の機能を良くすることがアスリートのカラダへ近づく手段であり、動けるカラダを手にすることもできるのだ。

2021年からの1年間で、多くの一般のお客様がこのプログラムを受講したという。
受講者からは「動きが機敏に、そしてしなやかになった」「カラダの使い方に対する理解を深めることができた」といった感想が寄せられ、それと同時に、長年悩まされていた肩こりや腰痛などから解放されたらしい。
そして「頭をフル回転させ、カラダの使い方を考えながら動かす」という体験に感動されていたのが最も印象的だった。






2022年6月19日、それはケビン山崎にとっては特別な日だった。ケビンが5年の歳月をかけてトレーニングを担当してきたK-1ファイター武尊選手が那須川天心選手と闘った世紀の大一戦があった日だ。

そして、時同じくして、東京オリンピックレスリング女子フリースタイル53kg級金メダリスト 志土地(向田)真優選手(現在55㎏級、所属:ジェイテクト)もオリンピックレースがこの日始まった。

選手を支える立場として彼は、どんな気持ちでその時を迎えたのだろう?

「勝ち負けだけではなく、これまでやってきたことの答え合わせになる瞬間だから、人一倍緊張する」というケビン。
そして、こうも言っていた。「選手を一番遠くに感じる日でもある。」と。
なぜなら、試合中は選手の姿をただただ、外から見るだけ。それしかできないから。

今回もそうだった、朝から立て続けに試合があった志土地選手。一つ一つの試合を勝ち続け、優勝の座につく。
そこで終わりではなく、世界大会に出場する枠をかけて最後の最後にもう1試合プレーオフがある。
一瞬の気も抜けないまま時間が過ぎる。怪我や調子がでなかった時の彼女を支えてきた一人でもあるケビンは、一試合一試合、丁寧に答え合わせをしていた。志土地選手の強さは安定しており、激戦を全て勝利で勝ち取るという驚異的な成績で締めくくれた。その時のケビンの安堵感は我々が到底想像できるものではない。





そして次は、武尊選手。

勝って欲しい気持ち。極限の精神状態から解放してあげたい気持ち。そんな複雑な思いを胸に、取り組んできたことへの答え合わせが始まる。



選手にとって一番苦しいのは試合中ではなく、それまでのトレーニングを含む準備期間だという。その期間を一緒に背負えるのがパーソナル・トレーナーでもある。勿論実働は選手がするわけで、パンチやキック、タックルに至るまで、トレーナーが同じことをするというのとは意味が違うが、「もっとこうなりたい」「ここを改善したい」を形にすることで、選手の一番近くにいて、解決方法を提案することができる唯一の存在でもあるからだ。

その提案が正しかったのか? ひとつひとつを答え合わせするのは、二つの理由がある。
一つは、これからの彼ら選手にとっての「進化」に責任を持つため。そしてもう一つは、結果が残せなかった時、責任を振り分けてもらい、彼らの心の負担を軽減するためだ。

パーソナル・トレーナーを目指す若者たちは、いつかトップアスリートのトレーニングに携わりたい。そう思う人も多いだろう。憧れはその氷山の一角である華やかな部分に目が行きがちだが、本質はどれだけ選手と一緒にその時を耐え、前進できるか、ということなのかもしれない。
一流のトレーナーの影の姿を見てそんな風に感じた。

「パーソナル・トレーナー」 今では多くの人がその存在を知っている。
理想の体型や健康を手に入れるために、最も効率よくトレーニングするための方法をその存在に委ねる。

しかし、日本におけるその歴史はまだ20数年… パーソナル・トレーナーという存在を確固たるものにしたのは、まぎれもなく「ケビン山崎」だろう。

「パーソナル・トレーナー」という職業は、医師や弁護士のように特定の資格が必要なわけではないが、確実に必要とされるものがある。それは「経験」だ。
どれだけ多くの人のカラダを変え、そしてそれを継続してきたか、数と年数がポイントとなる。

人のカラダは100人いれば100通り存在し、トレーニングと呼ばれるものも少しのアレンジでオリジナルになる。要はメソッド化することが非常に困難なものだ。だからこそ、目の前にいる顧客の過去をいかに理解し、現在を意識し、未来へつなげられるか、という創造力が必要となる。そのためには自身の経験が大きなポイントとなり、ふんだんにその能力を使って顧客の「やる気」を出さなければならない。

36年間寝ても覚めても「パーソナル・トレーナー」としての日々を考え抜いてきたケビン山崎も、今年で71歳になる。見た目だけではなく、カラダの中や思考回路に至るまで、現在の彼そのものが「筋肉」と共に形成されてきた。

自身のメソッドで多くの顧客と直接交わり、そして「パーソナル・トレーナー」の育成にも携わってきた彼が、今改めて思うことを一冊の本にまとめたのが、「MUSCLE BIBLE 筋肉伝道師の最終解答」(幻冬舎)だ。
今も昔も変わらない「筋肉」という重要な存在がもたらすことが記載されている。一方で、ケビンがこの職業を選んだ理由に紐づくその内容を知ることで、読んだ人も改めて自分自身の生き方、そして筋肉について考えさせられるのではないだろうか?

軸をぶらさず、進化し続けてきたケビン山崎だからこそ語れる「最終解答」。
ぜひ、読んで今のあなたのカラダとココロの答え合わせをしてみて欲しい。



2020年東京五輪、女子レスリング・フリースタイル53㎏級で金メダルを獲得した向田真優選手(ジェイテクト所属)。
五輪連覇に向けて、ケビン山崎と共に更なる進化を求め、新たなトレーニングにチャレンジしている。

彼女が持つ強靭な肉体に、より一層キレを出すため、走ったり飛んだりなどの直線的な動きだけではなく、ケビン山崎が生み出したSuper Treadmill Training(スーパー・トレッドミル・トレーニング)に取り組んでいる。

このSuper Treadmill Training(スーパー・トレッドミル・トレーニング)は「スプリント(走る)」を軸にした神経系トレーニングだ。

適切なフォームを意識し、脳から筋肉に指令を出す。
ここでいう筋肉の中には不随意筋と呼ばれるインナーマッスルも該当する。不随意筋とは、自らの意志では動かすことができない筋肉で、静止した状態では作用することがない。スーパー・トレッドミルで傾斜や速度をコントロールすることで、はじめてインナーマッスルが作用する環境をつくり出すことができるのだ。

脳から筋肉に指令を出し、順序よく円滑に100%以上の力で発揮させる訓練を向田選手は日々行っている。

Super Treadmill Trainingで得たカラダ(筋肉)の使い方を別のトレーニングや種目に適応させることで、どんな環境下でも自身のカラダ(筋肉)を自在に操れるようになる。そして今までよりも多くの筋肉を意識して動けるようになり、より強く、より速くなる。

向田選手にとって最大の武器になることは間違いない。
                   
この春からはスポーツ心理学を学ぶため、九州共立大学大学院に進学。競技と学業を両立させながら、2024年パリ五輪で連覇を狙う。

世界最強女王の向田真優選手の進化は止まらない。






「神経系トレーニング」と聞いて、あなたはどんなトレーニングを思い浮かべるだろうか?
スポーツ選手のためのトレーニングだったり、パフォーマス向上を目的とする特別なトレーニングを想像する人も少なくないだろう。
40年近くトレーニングに携わっている、トレーニングのスペシャリスト ケビン山崎に聞いてみた。

トレーニングには大きく分けて無酸素運動、有酸素運動がある。
これは動きに対するエネルギー源と所要時間をベースに区別される。2つの運動のうち、無酸素運動は強度が高く、結果を追求するためには分かりやすい運動だとケビンは答えた。

無酸素運動に着目したケビンはこうも語る。
無酸素運動そのものも、目的に応じていくつかの手段(トレーニング)に分かれている、と。
ひとつは、筋肥大を目指すウエイト・トレーニング、そしてもうひとつは、脳と筋肉の連携を向上させて扱える筋肉を増やし、活性化させる神経系トレーニングだ。

神経系のトレーニングでケビンが用いる最もポピュラーなトレーニングがスプリント・トレーニングだ。これは、Super Treadmill Training(スーパートレッドミルトレーニング)とも呼ばれる、「走る(ダッシュ)」を軸につくられたトレーニングで、日本ではTOTAL Workoutだけが所有している高速・高傾斜トレッドミルを用いたケビン山崎独自の神経系トレーニングメソッドである。

適切なフォームを意識してカラダを動かすことで、脳(神経)と筋肉の連携が上がり、同時間で考える量、使わなければならない筋肉量が飛躍的に向上する。

難易度を上げるために、バックペダルトレーニングという後ろ向きに走るトレーニングを導入することにより、フォワードのスプリント・トレーニングと比較して最大200%の筋肉の活性を誘発する。フォワードとバックペダルを組み合わせてトレーニングすることで、最短で、最も効率良く、トレーニング効果を出すことができる。

また、Super Treadmill Trainingはインナーマッスルから動きをつくりだすという特徴がある。インナーマッスルは不随筋と呼ばれる自らの意思で動かすことができない筋肉だが、ある環境下においてはインナーマッスル自体をコントロールし、意識的に動かすことが可能となる。インナーマッスルは静止した動きの中では作用することがなく、動きの中ではじめて作用する。つまり、すべての動作はこのインナーマッスルが始動することでつくりだされ、持ち合わせる筋肉の使い方にフォーカスすることでパフォーマンスを著しく向上させることができるのだ。勿論それはフィットネスへの応用も可能で、多くの人の日常に役立つ。
ケビンはこれまで多くのスポーツ選手にこのトレーニングを導入し、成果を上げてきた。

そしていつしか、この神経系トレーニングはスポーツ選手だけのものではなく、一般的に健康になりたい人や、美しいカラダを手に入れたい人などにも最短の結果を出せるのではないか? と考えるようになった。それは、「一般人を強度の低いアスリート」と位置づけるようになった彼のメソッドにつながる。

スポーツ選手が必要としているパフォーマンスの向上は、一般の人にとっても、日常生活が楽になり、これまでできなかったことができるようになるという達成感を感じられるものになる。
決して特別な人だけのものではないのが神経系トレーニングなのだ。

2021年の終わりごろから、ケビンはTOTAL Workout内に「Athlete Body Make Program」と題して、スポーツ選手のトレーニングをフィットネスに応用したプログラムを実施している。
受講する方が得られる最大の能力とは、「カラダの使い方を学び、身につけること」だ。
ウエイト・トレーニングは一切実施せず、神経系のトレーニングのみを行う。趣味で行うスポーツのパフォーマンス向上は勿論、不調だったカラダの部位がよくなることや、カラダのカタチが変わり、より「しなやかでかつアクティブな自分」になれると評判だ。

自分自身の可能性が広がるコンテンツとして大いに興味が持てる。






直径73mm、重さ143gのボールが100km/h以上でフィールドを駆け巡る。そんな野球において、投手は自身のカラダひとつでボールに「速度」「変化」を与え、タイミングをコントロールし駆け引きを繰り返す。

チームが優勝争いを展開するシーズンで一翼に名を連ねたプロ野球、楽天イーグルスの安樂智大選手は、ケビン山崎とのトレーニングで更なる進化を求めている。



安樂選手がケビン山崎とトレーニングを開始したのは2018年。ケガから復活した安樂選手は真っ直ぐに目標を見据えていた。本来のパフォーマンスを最大限引き出すプログラム「Athlete Tuning Method®︎」 (Redcordを活用)で、一層深いところからカラダと向き合い投球に落とし込んだ。

そして今、安樂選手の目標は「より沢山の筋肉を使うこと」だ。
これは、バイオメカニクスの観点からピッチングをひも解き、分解した動きを理解しなければパフォーマンス向上につなげることが難しい、といったプロアスリートでもなかなか困難な作業になる。カラダを物体として捉えると、骨、靭帯、腱、筋肉と脳、そして脳とそれらを繋ぐ神経が動きに直結する要素である。
ケビン山崎はその中でも、「筋肉」と「骨」に着目し、脳でコントロールができる状態を理想とする。重心移動による動作エネルギーを、更に効率良く加速させる為に筋肉を利用し、反発力を加えようという方法であるが、これは矢を放つ際の「弓」をカラダと捉えるとわかりやすい。通常通り矢を引いたところから、更にもう一段引くのだ。そしてそれだけでは終わらず、矢を放ったその瞬間に、弓自体を前に押し出して更に加速させるような取り組み− これを単純な弓矢ではなく、ケビン山崎は複雑な関節や筋肉が入り乱れる人間のカラダで行うアプローチをしようというのだ。

具体的には下記3工程に取り組み、ピッチングに落とし込んでいる。

1. Screw in 股関節に重心を正しく乗せ、力を溜める
2. Crunch 上半身を利用し力を溜め、支点の移動が起こる
3. Rotation 3Dな捻れを利用し、爆発的なパワーを生む

軸足の股関節で生み出したパワーをいかに指先まで伝えるか、これには安樂選手も、繊細かつ大胆な筋肉のコントロールが求められている。それぞれの部位に違ったベクトルと時差が生まれることで、単純に動作したときとはまるで違う感覚を得ることができる。
カラダのパワーを生み出すために、筋量を増やすのではなく、筋肉の使い方でボールへの力が増すのだから面白い。無理に筋出力をしていないため、脱力すべきところはより脱力しながら加速ができて随分と楽になる。加えて、バッターから見ればタイミングも変わるなど一石二鳥以上の内容だ。

このように、安樂選手のトレーニングはバイオメカニクスの最先端であり、またその進化の裏に見える強力な肉体を操る技巧からは目が離せない。