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今回は、トレーニングの進化を述べる上で欠かすことのできない、各トレーニングについて詳しく述べることにしよう。
「目的」をゴールとするなら、トレーニングは間違いなく手段である。
その手段においては、理解し、納得するほど結果が出るとケビン山崎は言う。
まず念頭に置いておかなければいけないことがある。それは、トレーニングは常に「アップデイト」と「アップグレイド」を繰り返しているということだ。「アップデイト」は一つのトレーニングカテゴリー内における進化や発見のことを指し、「アップグレイド」はこれまでになかった要素、つまり新しいトレーニングカテゴリーが新設されることを意味する。
ここでは、ケビン山崎がつくり上げてきたトレーニングメソッドの「アップグレイド」に着目し、話を進めていきたい。
1986年、パーソナル・トレーナーとしてアメリカで活動をしていたケビンのところには、外見を変えたい人、健康になりたい人、パフォーマンスを上げたい人が集まってきていた。それらすべての人々に共通して必要だったことが『筋肉をつけて、代謝を上げる』ということだった。筋肉の量で外見は変わるし、代謝が上がるとさらに効率も上がる。健康とは明らかに代謝の高さを示すものであるし、パフォーマンスの基礎は筋肉量に比例する。だからこそ『筋肉をつくる』。それがカラダづくりの入り口になるのだ。
今や多くのトレーナーがそうであるように、普遍的にベースを構成するのはやはり『筋肉をつくること』を目的とした『Weight Training』である。最も効率良く筋肉を増やす方法として、ケビンが自身のメソッドでこだわったのは、リフティングの仕方とトレーニング部位の選定、セットの組み方だ。単純に重りを持ち上げるのではなく、効率よく筋肉を肥大させることをポイントとした。
生み出すエネルギーは重いものを持ち上げれば上げるほど大きくなる。よって1kgでも重いものを挙上することで筋肉をたくさん使い、回復も必要になる。それが筋肥大に有効な働きをすることをケビンは知っていた。下半身から上半身に力を連動させ、動きの中でウエイト・リフティングをすること。これを「Muscle in Motion」と名付け、そこにこだわった。
下半身の力を上半身に伝えるには反動に似た動きが必要になる。反動を使って1kgでも重い重りを挙上することが結果を左右するということだ。そして、最も筋肥大につながる挙上回数を10回に設定し、1回1時間、週に3回、3週間。そのセッティングが効率良くかつ効果的であることを発見したのだ。いつしか、それがトータル・ワークアウトのウエイト・トレーニングのベースとなり、多くの人が実践することで、結果を出し続けることへ繋がっていった。
1990年に入ると、ケビンのトレーニングメソッドが大きな転機を迎えることになる。それは、できた筋肉に神経を通す『神経系』のトレーニングだった。ケビンがアメリカで活動をしていたころからアスリートのクライアントが多く、中でもアメリカンフットボールの選手を中心に、大きなカラダでスピーディに動ける能力を求められる競技が多かった。
今でこそ、カラダが大きくても素早く動ける選手はそう珍しくはないが、一昔前までその能力には限界があると考えられていた。つくった筋肉は鎧のようなもので、神経を通さない限り役目を果たさない。実際に筋肉をつけたからと言って、ホームランが打てるわけでもなければ、ボクシングでノックアウトできるわけでもない。自らが持つ筋肉をどのようにコントロールできるか?が重要となる。
1990年、神経系を開花する画期的なトレーニングマシンに出会うまで、ケビンは試行錯誤しながらも、この神経系のトレーニングを取り入れていた。一例としてあげられるのが『パワーリフティング』だ。『パワーリフティング』は、2つ以上の筋肉を順番に100%使っていくことで出力が決まる。うまく筋肉連動ができたとき、思いもよらない力が出る。理にかなった方法で多くのトップアスリートは神経系を鍛えていった。しかし、この方法には唯一欠点があった。習得に時間がかかるということだ。
1993年、ケビンが出会った活気的な神経系のトレーニングというのは、 Athletic Republicのスーパートレッドミルを使ったものだった。つまりダッシュをする筋肉を学び、その筋肉の連動を良くしていくことで、自然とスピ―ドが増加し、カラダにキレが生まれるというものだ。パワーリフティングで神経系を良くすることよりも2.5倍速く、同じ結果を得ることができるというのだからすごい。
ケビン山崎のトレーニングメソッドが静から動へ動き出した瞬間であり、『アップグレイド』された瞬間だ。この革命によって、ケビン山崎はより多くの目的をより短時間で叶えるカラダを提供できるようになる。トータル・ワークアウトというジムをつくり、そこで指導する数多くのパーソナル・トレーナーも一人残らず、『スーパートレッドミル』を用いた神経系の処方を習得している。
トータル・ワークアウトが他にないトレーニング結果を短時間で出せる秘密がここにあったのだと確信した。そして今、それがトータル・ワークアウトのトレーニングにおいてスタンダードとなっている。
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