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スプリント・メカニズムの原点はパワークリーンの原点にある。即ち、パワークリーンが上達すれば、スプリント・トレーニングの効果も向上する。
パワークリーンの基本的メカニズムとはトリプルエクステンションと言い、股関節、膝関節、そして足関節を通してより多くのパワーを生むことを意味する。
足関節自体には、エネルギーを生む筋肉の作用はなく、基本的に股関節が足関節をコントロールするので、底圧の設置状態を向上させることで、地面から得る床反力も向上し、股関節からのパワー出力も増大する。その結果、スプリント時でのパワー増大につながる。
次にスプリント時における足関節の動き(捻り)を理解することが最終的なパフォーマンスの向上に直結するので、ここで解説しておこう。
歩行時、走行時に唯一カラダが外部とコンタクトするのは足(カラダ)と地面(外部)である。主に足は下腿と呼ばれ、脛骨、腓骨と距骨から構成された距腿関節(図1:赤)と、距骨と踵骨から構成された距骨下関節(図1:青)とが動き合うことで足首を内側、外側に曲げたりする動きに対応したり、足首を回すなど複雑な動作を安定して行える。
(図1)
距腿関節で起こる運動は底屈(屈曲)と背屈(伸展)、距骨下関節で起こる運動は外転、内転、回外、回内である。歩行、走行時の場合、もう一つ重要な関節があり、それはリスフラン関節と言い(図2:緑)、5本の中足骨と足の甲の間にあるアーチ状の関節で歩行、走行時の着陸(踵骨)後、外側、縦アーチで起こる回外運動及び離陸時において内側縦アーチで起こる回内運動に重要な役割を果たす。即ちリスフラン関節における「ねじれ」によって距腿関節が正常な位置を保つことができ、離陸時により多くのパワーを生むことを可能にする。
歩行、走行
着陸(踵骨)→ 回外(外側縦アーチ)→ 小趾球 → 中足骨(横アーチ)→ 拇趾球 → 回内(内側縦アーチ)→ 離陸
(図2)
【参考】
足関節の回内、回外のストレッチをスプリントの前にすることで、足のプロネーター、スピネーターの状態をノーマルにできる。
CPEI(Center of Pressure Excursion Index)
CPEI =
圧力の中心
x 100
足幅
足をプロネーター、ノーマル、スピネーターに分類するパラメーター
男性 ノーマル (10.3 ~ 23.4)
女性 ノーマル (6.2 ~ 19.2)
【例】
回内/回外ストレッチ Before → After
男性
23.1(スピネーション)→ 13.5(ノーマル)
24.6(スピネーション)→ 12.6(ノーマル)
女性
0.4 (プロネーション)→ 11.0(ノーマル)
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