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1980年代のアメリカでは、ハリウッドスターやスポーツ選手などの特別な人が自身の職業のために取り組み始めたカラダづくりが話題を呼び、専属のトレーナーを付ける「パーソナル・トレーニング」が生まれました。
後に私の職業となる「パーソナル・トレーナー」は、その専属のトレーナーを指します。私も自らのカラダづくりを通じて自信を得たり、健康面での恩恵を受けたりすることで、活動の幅が広がったことを実感してきました。
アメリカにおけるフィットネスは、ビジュアルの変化を追求することからスタートしましたが、高額な医療保険制度の後押しもあり、健康産業の大きな柱として花開きました。フィットネスは多くの人々におけるライフスタイルの一端に存在するものとなり、特別なものから日常的なものへと進化を遂げてきたのです。
それは日本でも同様です。2000年にアメリカからパーソナル・トレーニングが上陸し、20年の歳月を経て、一般化するとともにパーソナル・トレーナーという職種が世の中に認知されるようになりました。私が「パーソナル・トレーニング」を日本に持ち込んでから、それが社会現象として定着するまでにはそれほど時間はかかりませんでした。カラダづくりに取り組む人が増え、健康志向が高まる中で、今なおパーソナル・トレーナーの数は増加し続けています。
しかし、一方で対象とするクライアント(顧客)が健常者であることから、パーソナル・トレーナーは専門家としての資格を持たずとも、その指導に携わることができます。そのため、パーソナル・トレーナーは、個人の意思次第で職業として成り立っているというのが現状です。
フィットネスの先進国といわれるアメリカは、日本よりも約10年先を行っているとされてきました。しかし、私の見解では、今やその差は3~5年程度に縮まっていると思います。方向性は間違っていなかったといえるでしょう。だからこそ、私たちは今後もアメリカのフィットネスのトレンドを未来予想図として捉えながら、日本に合わせたフィットネスを創り出していきたいと考えています。
【HISTORY(USA)】
アメリカの1970年代といえば、女優のジェーン・フォンダの時代です。1971年の『コールガール』、『帰郷』、『チャイナ・シンドローム』などのヒット映画を連発し、エアロビクスダンスを全米中に広めた第一人者です。当時のウエイト・トレーニングといえば、アーノルド・シュワルツェネッガーに代表されるボディビルダーの間でのみ行われるものでした。
しかし、流行は必ず下火になるものであり、1980年に入るやいなやエアロビック・エクササイズは定番化されたものの、その勢いはウエイト・トレーニングの方向へと移っていきました。ウエイト・トレーニングは次第にボディビルダーたちだけのものではなくなり、ハリウッド映画界への進出も手伝って大きく注目され、1990年代半ばには野球やバスケットボールなどのスポーツ界にも広がっていきました。
この頃のハリウッド映画では筋肉系俳優によるアクション作品が非常に人気でした。代表的なものとして、シュワルツェネッガー主演の『ターミネーター』シリーズや『コマンドー』、シルヴェスター・スタローン主演の『ロッキー』シリーズや『ランボー』シリーズなどがあります。このジャンルは1990年代半ばまで盛んでした。
1970年代
空前のエアロビクスブーム
『有酸素運動が主流』
ウエイト・トレーニングでMuscle Bodyが人気に
『無酸素運動が主流』
【HISTORY(JAPAN)】
日本のフィットネスシーンでは、1970年代から1980年代にかけてフィットネスクラブの三種の神器といって、どのクラブへ行っても「スタジオ、ウエイト・トレーニング、水泳」の3つが中心でした。1990年代には、その中でもスタジオのエアロビクスダンスが主要なエクササイズとなっていました。 そして2000年に入るやいなや、ウエイト・トレーニングがTOTAL Workoutを中心にブームとなり、野球などのスポーツ界にも大きな影響を与えるようになりました。そこで中心的な存在となったのが「パーソナル・トレーナー」です。
1970年代
三種の神器(スタジオ・ジム・プール)が揃うフィットネスクラブが出現する
エアロビクスが人気を集める
ウエイト・トレーニングブームで『パーソナル・トレーニング』がスタート
ケビン山崎が語る 「パーソナル・トレーナーの歴史と未来予想図 ②」 へ続く
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